チェイニング(連鎖化)順向連鎖化・逆向的連鎖化・総課題提示法の使い分け
- ABAスクールTogether

- 4月30日
- 読了時間: 3分
生活スキルを教えるとき、
「どこから教え始めればいいのか」
「全部通して練習した方がいいのか」
迷うことはありませんか。
ABA(応用行動分析)では、複数のステップで構成されるスキルを教えるときにチェイニング(連鎖化)という方法を使います。
その中でも代表的なのが次の3つ。
順向連鎖化(Forward Chaining)
逆向的連鎖化(Backward Chaining)
総課題提示法(Total Task)
どれも「手順を分けて教える」という点は同じですが、どのステップから自立させるかが違います。
この記事では、それぞれの特徴と使い分けを、実例を交えてわかりやすく解説します。
1. チェイニングとは?
チェイニングとは、複数のステップで構成された行動を、1つずつつなげて習得していく方法です。
例:歯磨き、着替え、料理、手洗い、片付けなど。
まずは行動を細かく分ける「タスクアナリシス」を行い、
その後、どのステップから教えるかを決めます。
2. 3つのチェイニングの違いと使い分け
■ 順向連鎖化(Forward Chaining)
最初のステップから順にできるようにしていく方法
✔ 向いているケース
最初のステップが簡単で成功しやすい
行動の流れを「最初から覚える」方が自然
学習者が“始める力”はあるが、後半が難しい
✔ 例:靴を履く
靴を揃える(簡単)
足を入れる
かかとを入れる
マジックテープを止める(難しい)
→ 最初の「靴を揃える」から自立させ、後半は支援する。
✔ メリット
行動の流れをそのまま学べる
最初の成功体験を積みやすい
■ 逆向的連鎖化(Backward Chaining)
最後のステップからできるようにしていく方法
✔ 向いているケース
最後のステップが簡単で成功しやすい
“終わった!”という達成感が強化として働く
途中で飽きやすい/途中で失敗しやすい
✔ 例:手洗い
水を出す
石けんをつける
こする
流す
タオルで拭く(簡単)
→ 最後の「拭く」だけ自分で行い、すぐに“手洗いが終わった!”という強化が得られる。
✔ メリット
最後の成功が強化になりやすい
モチベーションが続きやすい
難しいスキルでも成功体験を作りやすい
■ 総課題提示法(Total Task)
全体を通して行い、できない部分だけ支援する方法
✔ 向いているケース
すでにいくつかのステップを部分的にできる
一連の流れを通して練習する方が自然
生活スキル(歯磨き・着替え・料理など)で“全体の流れ”が大事
指示に従って行動を続けられる
✔ 例:歯磨き
→ 全体を通して行い、苦手な部分だけプロンプトを入れる。
✔ メリット
実際の生活に近い形で練習できる
すでに部分的にできる学習者に効率的
行動の流れを崩さない
3. どれを選べばいい?判断のコツ
✔ 判断フローチャート
全体を通して行動を続けられる?
→ YES → 総課題提示法
→ NO → 次へ
最後のステップが簡単で、達成感が強い?
→ YES → 逆向的連鎖化
→ NO → 次へ
最初のステップが簡単で成功しやすい?
→ YES → 順向連鎖化
→ NO →
→ タスクアナリシスの見直し(ステップが細かすぎる/粗すぎる可能性)
4. まとめ
順向連鎖化:最初のステップから順に教える。最初が簡単なスキルに向く。
逆向的連鎖化:最後のステップから教える。達成感を最大化したい時に最適。
総課題提示法:全体を通して練習できる力がある時。生活スキルに自然で効率的。


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