競合行動バイパスモデルcompeting behavior analysis
- ABAスクールTogether

- 4月19日
- 読了時間: 4分
問題行動を“自然に選ばれなくする”ための実践モデル
行動支援の現場では、「問題行動をやめさせたい」という相談がよくあります。 しかし実際には、問題行動を「やめさせる」よりも、 「より良い行動を選びたくなる環境を作る」ほうがずっと効果的です。
この考え方を整理したのが、 Competing Behavior Analysis(競合行動バイパスモデル)です。
この記事では、家庭・学校・療育のどこでも使えるように、 3つの行動の関係と実践ステップをわかりやすく解説します。
■ 競合行動バイバスモデル Competing Behavior Analysis とは?
競合行動バイバスモデルは、
「問題行動・代替行動・最終行動が“どれを選ぶか”という競争をしている」
と考えるモデルです。
そして支援者の役割は、
「より良い行動が“勝つ”ように環境をデザインすること」
です。
■ 3つの行動カテゴリー
競合行動バイバスモデルでは、行動を次の3つに分けて考えます。
(1)Problem Behavior(問題行動) ・今起きている困った行動 ・何らかの機能(逃避・要求・注目・感覚)を満たしている ・今の環境では“最も効率が良い”ことが多い
(2)Alternative Behavior(代替行動) ・問題行動と同じ機能を満たす ・より安全で、より簡単で、より適切 ・FCT(機能的コミュニケーション訓練)で教える行動がここに入る
(3)Desired Behavior(最終行動) ・長期的に身につけたいスキル ・社会的に望ましい ・ただし難易度が高く、すぐにはできない
■ 3つの行動の関係
問題行動は「今すぐ機能を満たせる」ため強くなりやすい行動です。 代替行動は「同じ機能をより適切に満たせる」行動です。 最終行動は「長期的に必要だが難しい」行動です。
支援の目的は、
・代替行動を強くする ・最終行動を育てる ・問題行動を弱くする
という3つを同時に進めることです。
■ 具体例:課題を避けるために大声を出す子
● Problem Behavior(問題行動) 大声を出す 機能:課題から逃げられる
● Alternative Behavior(代替行動) 「休憩したい」とカードで伝える 機能:同じく“逃避”ができる 問題行動より簡単で安全
● Desired Behavior(最終行動) 自分で短い休憩を取り、戻って課題を続ける 自己調整スキルの獲得
● 支援の方向性 ・代替行動(休憩カード)を強く強化する ・大声を出しても逃避できないように調整する ・休憩カードの使用条件を徐々に調整する ・自己調整スキルを育てて最終行動へつなげる
■ なぜ「競合」という考え方が重要なのか
行動は常に、
・どれが一番簡単か ・どれが一番早く機能を満たすか ・どれが一番強化されるか
という基準で選ばれます。
つまり、
「問題行動が“勝っている”から起きている」
ということです。
だからこそ、
「代替行動と最終行動が“勝てる”ように環境を変える」
という発想が必要になります。
■ 実践ステップ
(1)問題行動の機能を明確にする逃避・要求・注目・感覚のどれかを特定する。
(2)代替行動を決める(Alternative Behavior) ・問題行動と同じ機能を満たす ・問題行動より簡単 ・すぐ強化できる
(3)最終行動を設定する(Desired Behavior) ・長期的に必要なスキル ・段階的に育てる
(4)3つの行動が“競合”する環境を分析する ・どれが一番強化されているか ・どれが一番簡単か ・どれが一番早く機能を満たすか
(5)代替行動を強くし、問題行動を弱くする ・代替行動の強化を最大化 ・問題行動の強化を最小化 ・最終行動の練習を少しずつ増やす
■ 競合行動バイバスモデルが優れている理由
・問題行動を“やめさせる”のではなく、 より良い行動を“選びたくなる”環境を作ります。FCT、PBS、スキルベース介入(SBI)と一致しており、ABAの支援の流れに当てはまります。 長期的なスキル獲得にもつながります。
■ まとめ
競合行動バイバスモデルは、 問題行動・代替行動・最終行動の“競争”を理解し、 より良い行動が勝つように環境を整えるモデルです。
・問題行動を弱くする
・代替行動を強くする
・最終行動を育てる
この3つを同時に進めることで、 子どもが自然に“より良い行動”を選ぶようになります。


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