- Sakurako Tanaka BCBA-D
複合強化スケジュール
複合強化スケジュールは、1つの標的行動に対して複数の強化スケジュールが組み込まれたものです。
1) 代替スケジュール
2) 共役スケジュール
3) 並立スケジュール
4) 多元スケジュール
5) 混合スケジュール
6) 連鎖スケジュール
7) 直列スケジュール
の7種類があります。

1) 代替スケジュール
代替スケジュール は、頻度もしくは時間どちらかが満たされているときに強化子を貰えるというスケジュールです。
例えば、子どもがドリルをしている際に、20問終了した時、もしくは10分間継続して勉強したら、ご褒美のクッキーが貰える、などです。

2) 共役スケジュール
共役スケジュールは、頻度と時間どちらも満たされているときに強化子を貰えるというスケジュールです。
例えば、子どもが縄跳びのテストをして、連続して100回飛べて、かつ3分間継続して飛べたら、合格となる、などです。

3) 並立スケジュール
並立スケジュールは、複数の行動がそれぞれ満たされているときにそれぞれに強化子を貰えるというスケジュールです。
例えば夕食の時間、野菜を食べたらデザートを食べていい、15分間離席しないでテーブルに着席していたら食後にテレビを見てもいい、というものです。どちらの行動も満たしていたらどちらの強化子ももらえます。

4) 多元スケジュール
多元スケジュールは、単一の行動に対して複数のルールがあり、ルールを満たされているときにそれぞれに強化子を貰えるというスケジュールです。
例えば家の外を掃除するとしたら、缶を5つ拾ったらご褒美にチョコレートを貰える、家の前を掃除したらお小遣いを貰える、というものです。どちらの行動も満たしていたらどちらの強化子ももらえます。

5) 混合スケジュール
混合スケジュールは、単一の行動に対して複数のルールがあり、どちらかのルールを満たされているとき強化子を貰えるというスケジュールです。
例えば箸でご飯を食べる練習をしていたとしたら、箸でお茶碗半分ご飯を食べられたらデザートを食べられる、お茶碗半分食べられなくても3分間箸を使い続けられたらデザートを食べられる、というものです。

6) 連鎖スケジュール
連鎖スケジュールでは、複数の一連からなる行動を完了した時に強化子を貰えるというスケジュールです。行動は決められた順番で行う必要があります。
例えば歯磨きの課題をしていたとしたら、まずに歯を磨いてから、口をゆすぐ、というステップである必要があります。口をゆすぎ終えたら、ご褒美のテレビをみて良い、というものです。

7) 直列スケジュール
直列スケジュールでは複数の一連からなる行動を完了した時に強化子を貰えるというスケジュールです。行動は決められた順番で行う必要がありますが、2つ目以降の行動は特別な弁別刺激がある訳ではありません。
例えば。お母さんが「今日は保育園で何をしたの?」と聞いたとします。お子さんは「ブランコ」と答えました。その後に1分間会話を継続できたらおやつのドーナツがもらえます。最初の会話のきっかけはありましたが、それ以降の行動(会話)は特別な弁別刺激がある訳ではありません。

まとめ
複数の一連からなる行動を完了した時に強化子を貰える、複合強化スケジュールについて解説いたしました。
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Reference
応用行動分析学 – 2013/5/30ジョン・O・クーパー (著), ティモシー・E・ヘロン (著), ウイリアム・L・ヒューワード (著), 中野 良顯 (翻訳)