Performance Diagnostic Checklist(PDC)とは?
- ABAスクールTogether

- 5月29日
- 読了時間: 3分
Performance Diagnostic Checklist(PDC)とは、行動分析に基づく「パフォーマンス問題の原因分析ツール」です。
現場で「なぜこの人は期待通りに行動できないのだろう?」と感じることはありませんか? その原因を“個人のやる気”に求めてしまうと、適切な支援や改善策が見えなくなります。
そこで役立つのが Performance Diagnostic Checklist(PDC) です。
PDCは、Austin(2000)と Carr et al.(2013)によって開発された、従業員のパフォーマンス問題を環境要因から分析するためのチェックリストです。
「PDCは、先行要因と情報、設備とプロセス、知識とスキル、そして結果という4つのカテゴリーの変数を評価します。」
つまり、PDCは「行動を取り巻く条件」を4つのカテゴリーに分けて評価し、 どこに問題があるのかを特定する“診断ツール”です。
1. PDCは何のために使うのか?
PDCの目的はシンプルです。
パフォーマンスが出ない原因を特定する
その原因に合った介入を選ぶ
個人ではなく「環境」に焦点を当てる
特に、福祉・教育・医療・企業など「人が行動で成果を出す」現場で非常に役立ちます。
2. PDCの4つのカテゴリー
PDCは、以下の4つの観点からパフォーマンスを分析します。
① Antecedents & Information(先行事象・情報)
行動が起こる前の情報や手がかりが整っているか?
チェック例:
明確な職務記述書があるか
仕事の指示が十分か
ミッションや目的を理解しているか
プロンプトや手順書が見える場所にあるか
適切な目標設定があるか
改善策の例:
タスクの明確化
プロンプトの追加
目標設定の導入
上司の現場での存在感を増やす
② Equipment & Processes(設備・プロセス)
物理的・手続き的な環境が行動を妨げていないか?
チェック例:
機器が信頼できるか
作業環境が最適に配置されているか
プロセスに無駄や断絶がないか
障害物なくタスクを実行できるか
改善策の例:
機器の改善
作業環境の再配置
プロセスの見直し・簡素化
③ Knowledge & Skills(知識・スキル)
従業員は「できる状態」にあるか?
チェック例:
何をどうするか説明できるか
実際に行動を示せるか
学習能力があるか
改善策の例:
行動スキル訓練(BST)
④ Consequences(結果・動機づけ)
行動の後にどんな結果が起きているか?
チェック例:
結果が行動に随伴しているか
自分の行動の影響が見えるか
上司がフィードバックを提供しているか
タスクが過度に負担ではないか
競合するタスクがないか
改善策の例:
意味のある強化の提供
パフォーマンスの可視化
フィードバック頻度の増加
タスクの負担軽減
競合タスクの調整
3. PDCの使い方
改善したい行動をピンポイント化する
従業員や管理者にインタビュー形式で質問する
Yes/Noで回答を集める
Noが多いカテゴリー=改善すべき環境要因
該当カテゴリーの推奨介入を実施する
PDCはアンケート形式ではなく、インタビュー形式が推奨されています。
4. PDCが優れている理由
個人の「やる気」ではなく、環境要因を科学的に分析できる
介入が「勘」ではなく、データに基づく
組織改善・人材育成・スーパービジョンに応用しやすい
行動分析の三項随伴性(A-B-C)を組織レベルに適用したツール
5. まとめ
PDCは、 「なぜパフォーマンスが出ないのか?」を、4つの環境要因から体系的に分析するためのチェックリストです。
先行事象(情報)
設備・プロセス
知識・スキル
結果(動機づけ)
この4つのどこに問題があるかを明確にし、 最も効果的な介入を選ぶための“診断ツール”として活用できます。


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