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強化スケジュールによる行動の増減


同じ強化子を使用したとしても、強化スケジュールによって行動は増減します。

強化スケジュールによる行動の増減について解説します。



強化後休止


固定比率/固定間隔を使用した際に起こる一時的な行動の頻度の低下を強化後休止と言います。

強化子を渡した直後に、強化子を渡したにも関わらず行動が増えないという現象が認められます。



強化後休止が起こるのは、


1)強化のスケジュールを生徒に知られているために強化子のために働こうという意識が薄れるため

2)強化子を渡したばかりのため強化子の魅力が一時的に下がるため

とされています。


たとえな、先生が20分ごとに自習をしているか確認に来て自習してている子供にトークンをくれるとします。しかし生徒がが先生が20分ごとに来ることを知っていたら、先生が来る直前から自習を始めそれ以外の時間はサボるようにななるという現象です。

また、強化子をもらった直後は、その強化子への要求が満たされているため継続的に頑張る意識が薄れてしまいます。クッキーをもらったばかりではお腹がいっぱいになっているので次のクッキーをもらうモチベーション低くなります。




強化後休をグラフで見るとホタテ貝のように見えるため、「ホタテ貝効果」と言われています。








変動比率/間隔では強化後休止が起こらない


変動比率/間隔においては、平均して正解する毎に強化子がもらえますが、どのタイミングで貰えるかはランダムであり、生徒には予め知らされません。よって強化後休止が起こらず、継続的に行動が起こると言われています。



変動比率は「もう少ししたら強化子が貰えるはず・・」という期待を与えますので、「後1回だけ・・後1回だけ・・」と行動が継続しやすいとされています。

ギャンブルがまさにこの理論を使用しており、中毒性の高さを表しています。





強化スケジュールの移行


このように変動強化スケジュールは行動を定着させるのに非常に効果的な方法です。


新しいスキルを教える際には、

Step1)連続強化スケジュール

Step2)固定強化スケジュール

Step3)変動強化スケジュール

に移行するのが有効とされています。


難しい/新しい課題に取り組むに当たっては最初は毎回強化することで(連続強化スケジュール)生徒の行動の定着を測ります。


行動がある程度できるようになったら固定強化スケジュールに移行します。


そして行動が安定してきたら、変動強化スケジュールに移行し、行動の定着を測って行きます。





比率ストレイン


比率ストレインとは強化子のハードルが高すぎて行動の頻度が下がることです。


例えば「本を1冊読んだらご褒美だよ」とするとお子さんは頑張って読むところ、「本を5冊読んだらご褒美だよ」としたらお子さんにとってハードルが高すぎて、それならもう1冊も読まない、となることがあります。

よって、比率ストレインが起こらないようにお子さんに合わせた強化スケジュールを設定してあげる必要があります。


まとめ


強化スケジュールによる行動の増減について解説しました。

ABAスクールTogetherでは、行動の原理・ABAの理論を広く学び、ABA国際資格であるRBTの取得を目指すことができます。是非私たちのサイトで学んで見てください。


 

Reference

応用行動分析学 – 2013/5/30ジョン・O・クーパー (著), ティモシー・E・ヘロン (著), ウイリアム・L・ヒューワード (著), 中野 良顯 (翻訳)


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