お腹が空いたからご飯を食べたい。
寒いからコタツに入りたい。
車で会社に出勤しないと行けないけどガソリンが切れたからスタンドに行きたい。
このように動機付け操作には様々なものがあります。
動機付け操作は 1)生まれながらに持っている動機付け と 2)学習して持った動機付け の2種類があります。
この2種類の動機付けについて解説します。
1) 非条件性動機付け操作 Unconditioned MO
非条件性動機付け操作とは私たちが生まれながらに持っている動機付けのことです。生存に関わるものと言われています1)2)。
お腹が空いたからおにぎりを食べたい。
喉が乾いたから水を飲みたい。
寒いから家に帰ってコタツに入りたい。
暑いからクーラーをつけたい。
眠いから寝たい。
どれも私たちが生来持つ、生存に関わる動機付けです。
2) 条件性動機付け操作 Conditioned MO
条件性動機付け操作とは私たちが過去の学習によって学んだ動機付けのことです1)2)。
部屋を明るくしようと電気をつけようとしたが、電球が切れていることに気がついたので、電球を買いに行きたい。
昔カラスにつつかれたことがあり、カラスを見るとカラスから逃げたくなる。
引っ越して来た町では正午にサイレンがなる。次第にサイレンを聞くだけランチを食べたく思うようになる。
どれも私たちが過去の学習によって学んだ動機付けです。
推移的条件性動機づけ操作、再帰性条件性動機づけ操作、代理的条件性動機づけ操作の3つの種類に分けられます。
2)-① 推移的条件性動機づけ操作 Transitive CMO
条件性動機付け操作の1つ目は推移的条件性動機づけ操作です。
推移的条件性動機づけ操作とは、 他の動機付けがもともとあったが、それを達成するために出現した新たな動機付けのことです1)2)。
例えば、部屋を明るくしようと電気をつけようとしたが、電球が切れていることに気がついたので、電球を買いに行った、ということです。
元々の動機付けは部屋を明るくすることでしたが、電球が切れていては部屋を明るくするこことができません。元々の部屋を明るくするという動機を達成するために、電球を買うという新たな動機付けが出現したのです。
2)-② 再帰性条件性動機づけ操作 Reflexive CMO
条件性動機付け操作の2つ目は再帰性条件性動機づけ操作です。
再帰性条件性動機づけ操作とは、過去に嫌な思いをしたものから逃げる動機付けのことです1)2)。
例えば、昔カラスにつつかれたことがあり、カラスが嫌いになった。その経験により、カラスを見るとカラスから逃げたいという動機付けができました。
2)-③ 代理的条件性動機づけ操作 Surrogate CMO
条件性動機付け操作の3つ目は代理的条件性動機づけ操作です。
代理的条件性動機づけ操作とは、 ニュートラルな刺激が無条件刺激と対提示されることにより、ニュートラルな刺激も動機付けとなったものです1)2)。
例えば、引っ越して来た町では正午にサイレンがなります。正午頃自分はランチを食べます。次第にサイレンを聞くだけランチを食べたく思うようになりました。
サイレン自体はニュートラルな刺激ですが、無条件刺激(ランチを食べる)と対提示が繰り返されたことにより、ニュートラルな刺激(サイレン)だけでもランチを食べたくなってしまうようになりました。
まとめ
様々な動機付け操作を解説しました。
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参考文献
1)応用行動分析学 – 2013/5/30ジョン・O・クーパー (著), ティモシー・E・ヘロン (著), ウイリアム・L・ヒューワード (著), 中野 良顯 (翻訳)
2)The ABA Visual Language: Applied Behavior Analysis– 2017/5/1 Makoto Shibutani
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