トイレの後おん手洗いを忘れているお子さんに「次は何をするんだったかな?」と耳打ちしてあげる。
ひらがなを上手にかけないお子さんに、下に薄く文字を書いてあげる。
歯磨きを上手に出来ないお子さんに、後ろから手を動かすのを手伝ってあげる。
このようにプロンプトとは、お子さんが正しい行動/良い行動をするための手助けのことです。
プロンプトは大きく
1) 言語プロンプト
2) 視覚プロンプト
3) 身体プロンプト
にわかれています。
言語プロンプト1
直接言語プロンプト
直接言語プロンプトとは、お子さんが答える答えを全て大人が言って言うべき答えを教えてあげるというものです。
例えば、「今日は何曜日?」と聞いた後、すかさず「月曜日」と答えも言います。
するとお子さんは答えるべき言葉「月曜日」と言うことが出来ます。
言語プロンプト2
部分言語プロンプト
部分言語プロンプトとは、お子さんが答える答えの一部を大人が言って言うべき答えを教えてあげるというものです。直接言語プロンプトで答えることができるようになってきたらこちらに移行します。
例えば、「お水を飲むのに使うのは?」と聞いた後、すかさず「コ・・」と答えの一部を言います。
お子さんはこの手がかりを元に「コップ」ということが出来ます。
言語プロンプト3
間接言語プロンプト
間接言語プロンプトとは、お子さんがすべきこと/答えるべきものの答えを伝えるのではなく、自発的に行動できるよう促す声かけのことです。すでに行動自体は学習しているけれどまだ定着していないと言う段階で使うのに適しています。
例えば、「トイレの後はどうするんだったかな?」と聞き、何かを忘れている(手を洗うこと)を思い出すように促します。
視覚プロンプト
視覚プロンプトとは、お子さんがすべき行動/言うべき言葉を視覚的に教えてあげるというものです。
例えば、先生が「何歳?」と聞く際に一緒に「5」という紙を見せます。そうすることによってお子さんが「5才」と言うべき言葉を言うことが出来ます。
視覚プロンプト2
刺激プロンプト
刺激プロンプトとは、先生の指示(弁別刺激)の中にすでにプロンプトが含まれていると言うものです。
例えば、ひらがなのワークで薄く文字が書いてあるからひらがなをなぞって書くことができる、などというものです。
視覚プロンプト3
モデリング
モデリングとは先生がお子さんのすべき行動をやって見せてあげるというものです。
例えば、手洗いの方法を先生がやって見せて、生徒はその模倣をすることで手洗いができるようになる、というものです。
視覚プロンプト4
ジェスチャープロンプト
ジェスチャープロンプトとは先生がジェスチャーによってお子さんのすべき行動/いうべき言葉のヒントをあげるというものです。
例えば、「雲はどこにあるかな?」と聴きながら指で空を指さすことによってお子さんは「空の上」と正しく答えることが出来ます。
視覚プロンプト5
位置プロンプト
位置プロンプトとは物の配置を工夫することによってお子さんの正しい行動を導くというものです。
例えば、複数の果物カードが机の上に置いてある状態で、みかんのカードをわざとお子さんの一番手前に配置し「みかんのカードはどれかしら?」と聴くことで、お子さんの正解を促すことができます。
身体プロンプト1
完全身体プロンプト
完全身体プロンプトとは、生徒の手など身体に触れて正しい行動に導く方法です。
例えば、歯磨きを上手にできないお子さんに対して、後ろからお子さんの手をとって、どう歯ブラシを動かしたらいいのか教えてあげるというものです。
歯ブラシの使い方、フォークや箸の使い方、服の着脱など「身体で覚える」スキルを教えるのに向いています。
身体プロンプト2
部分身体プロンプト
部分身体プロンプトとは、生徒の身体に軽く触れることで正しい行動に導く方法です。
例えば、お絵かきをしている生徒の手が止まったら腕をちょんちょんと触ってあげることで、お子さんはお絵かきを再開することができるようになります。
まとめ
お子さんを正しい行動へと導くプロンプトについて解説しました。
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Reference
応用行動分析学 – 2013/5/30ジョン・O・クーパー (著), ティモシー・E・ヘロン (著), ウイリアム・L・ヒューワード (著), 中野 良顯 (翻訳)