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自閉症スペクトラム障害


自閉症は脳の機能障害

自閉症は、先天的な脳の機能障害であり、発達障害の一つです。

相手の気持ちがわからない、新しい環境が苦手、自分視点だけの思い込みが多い

空気が読めないなどの「社会性の障害」、言葉が遅い・出ない、表現力が乏しい・言葉の定義が狭く周囲とのやりとりがずれやすいなどの「コミュニケーションの障害」、好き嫌いが極端、自分のルールを曲げられない、ルーティン通りにしないと不安などの「行動や興味のかたより」など特徴が認められます。

スペクトラム、つまり連続体であり、症状や重症度は度はお子さんによって様々です。ほとんどわからないお子さんから、生活のほとんどにサポートが必要なお子さんまでいらっしゃいます。

これらの特徴により自閉症の子供達は定型発達の子供達が自然に周囲から学び成長していく様には出来ず、生活のなかで多くの助けを必要とします。しかしこれは自閉症の子供たちが学ぶ事が出来ない、ということではありません。自閉症の子供達は、学ぶために特別な方法を必要としている、ということです。



症状はお子さんによって様々。例えば‥


自閉症の子供たちは社会性の障害、コミュニケーションの障害、行動や興味のかたよりが見られることにより様々な症状が現れます。

例えばあるお子さんは、5歳になっても意味のある言葉を話すことができません。指差しや絵カードでコミュニケーションを取っています。

例えばまた別のお子さんは、4歳で比較的よく言葉をしゃべりますが、人の目を見ることが苦手です。

十分に言葉を話し、IQも正常ですが、人の気持ちを理解することが難しく、友達と喧嘩を繰り返すと言うお子さんもいらっしゃいます。かつてはアスペルガー症候群と言われていましたが、現在は自閉症の一種と考えられています。

自閉症の症状は幼児期に始まり、通常生涯続きます。以下の症状がお子さんに認められるようでしたら病院や行政の窓口に相談しましょう。

名前を呼ばれても反応しない

目が合わない

指差した方向を見ない

言葉が遅れている

常同行動(ハンドフラッピング等)

限定した興味

ものの部分にのみ興味を示す

こだわりが認められる 






自閉症ってどう診断されるの?


自閉症の診断は難しく、血液検査やMRI検査ではわかりません。子供の行動や発達の程度を見て、医師により自閉症の診断が下されます。一般的な診断基準として精神疾患の診断・統計マニュアルDSM-5が使用されています。自閉症の正式名は自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder=ASD )ですが本ホームページでは自閉症と略して記載しています。かつてはアスペルガー症候群と言われた言葉の遅れのない子供達もDSM-5では自閉症の中に組み込まれることになりました。

自閉症は経験豊富な医師によれば2歳になれば診断出来る可能性があると言われていますが、ほとんどの子供はもう少し大きくなるまで自閉症の疑い、発達障害の可能性がある、と言われるのみで診断されません。診断の遅れは治療の遅れに繋がる場合があり、病名がついていなくても発達に不安があるのであれば早期に治療を始める事が大切です。



自閉症の患者さんはどれくらいいるの?


CDC(アメリカ疾病管理予防センター)によると自閉症は68人に1人発症するとされているありふれた疾患です。男児の発生率は女児の4.5倍多く発生します(男児42人に1人、女児189人に1人)。人種差はないと言われています。




なぜ自閉症になるの?


自閉症の病因は今のとこははっきりとわかっていません。単一の原因ではなく遺伝や環境など複数の要因が関わっていると考えられています。

遺伝は自閉症を発症する可能性が高いリスク要因であると考えており、自閉症の兄弟姉妹がいる子供は自閉症になるリスクが高くなります。他にも妊娠・出産・出産直後の状況や、高齢の両親から生まれることもリスクになる場合があると考えられています。

自閉症の治療法を教えてください。

残念ながら現時点では自閉症を完治させる特効薬は存在しません。

しかし、ABA(応用行動分析)による早期介入治療は自閉症をもつ子供の発達を改善させると多くの研究報告がなされておりアメリカとはじめとする諸外国では健康保険等の公費で受ける事が出来ます。日本ではABAは健康保険で受ける事が出来ませんが、家庭や療育園、幼稚園・保育園、学校などで取り入れる事が出来ます。


完治は出来ないけど、成長することは出来る。

ABAを受けつことにより、言葉の発達が認められ、IQが上昇し、学校の成績が向上し、社会性が伸びるというデータがでています。日本では残念ながらABAは公費で受ける事が出来ませんが、多くの療育機関でABAに基づく療育が広まってきています。またABAの原理を親御さんが学ぶことにより家庭でもABA療育を行う事が出来ます。もしお子さんに発達に気になる事があれば、医療機関や行政の窓口に相談するとともにぜひ家庭でABAの取り組みを始めてみてください。

Togetherでは、行動の原理とABAの理論を学び、家庭や園、学校でABAが出来るツールを提供しています。是非私たちのサイトで学び、実践してみてください。

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