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ABAで身辺自立を促す

執筆者の写真: ABAスクールTogetherABAスクールTogether

着替えが一人で出来ない、きちんと手を洗えない、靴を履かせてあげないといけない、片付けができない。


発達にでこぼこがあるお子さんでは年齢や重症度に関わらず、身辺自立に問題がある場合があります。




身辺自立が進むとお子さんの自信につながり様々なことに積極的になりますし、親御さんの負担も減り、保育園や学校でも生活しやすくなります。


ABAは自閉症の早期療育の分野で特に大きな効果をあげるとの研究結果が出ていますが、身辺自立スキルは自閉症だけでなく、他の発達障害やダウン症などの疾患のお子さんにも利用できます。



身辺自立スキルってどんなもの?


小さなお子さんがまず身につけたい身辺自立スキルとしては、手を洗う、トイレ(小/大)、歯を磨く、服を着替える、自分一人で食べる、髪をとかす、顔を洗うなどがあります。日常生活の中で取り組めるものばかりですが、最初はあえてその課題に取り組む時間作り「練習」して見ましょう。


スモールステップに分解しよう 

タスクアナリシス(課題分析)



例えばズボンをはく、と言う課題をスモールステップに分解して見ましょう

ステップ1)両手でズボンの前を手に取り

ステップ2)座る 

ステップ3)右足を右のトンネルに入れ出す 

ステップ4)左足を左のトンネルに入れ出す

ステップ5)立ち上がる 

ステップ6)ズボンを腰まで引き上げる






大人は何気なくやっているこの行為ですが、実は複雑で複数の行程から成り立っていると言うことがわかります。


また途中一つでも間違ってしまうとその次のステップに進めないという点もポイントです。



複雑な手順をスモールステップに分解しお子さんがどこでつまずいているかを確認することをタスクアナリシスと言います。


身辺自立スキルはどれもこのように複数の複雑なステップから成り立っていますので、まずは大人がやって見て、どんなステップから成り立っているのか確認しましょう。



最後から教えよう 

バックワードチェーニング(逆行連鎖化)



今全くズボンをはけない、履く意思がないお子さんにどうやってスキルを教えていくのでしょうか。


有効な方法としてバックワードチェーニング(逆行連鎖化)というものがあります。



バックから、つまり後ろから教えていくという意味で、最後のステップのズボンを腰まで引き上げる、というステップから教えていきます。


お子さんを立たせて、ズボンが足にはまっている状態で、大人がお子さんの手をとってズボンを一緒に引き上げます。



この適切な行動を行う手助けのことをプロンプト、と言います。


上手に引き上げられたら「上手にできたね」と褒めご褒美をあげましょう。ズボンを上に引き上げる、という行動をした結果、褒めてお菓子がもらえるという嬉しい経験をしたら次から自分でズボンを引き上げるという行動をする可能性が高くなります。


たとえプロンプトつきで出来たのだとしてもたくさん褒めてあげましょう。次第にプロンプトを減らしても出来るようになっていきます。


最後のステップ 6)ズボンを腰まで引き上げるが上手に出来るようになったら今度は 5)足にズボンを絡ませた状態で立ち上がるというステップを練習しましょう。


バックステッピング法でスモールステップで一つずつ出来るようになることで、無理なく多くの成功体験を積め、身辺自立スキルが身についていきます。




家や学校だけでなく様々な場所でやってみよう 般化



ご自宅やABAセラピーで上手に出来るようになったら学校やプールの更衣室など様々な場所でやって見ましょう。


学んだ場所/条件に限らず、様々な状況で同じスキルができるようになることを般化と言います。



定型発達のお子さんでも家や学校のトイレはいけるけど公衆トイレは嫌がることがあります。


違う環境でいつもと同じように出来るようになる、というのも練習の一つなのです。


自宅で行うのと同じように、タスクアナリシスで分解したスモールステップに従い、出来ない箇所はプロンプトで手助けし成功させ、うまく出来たことを褒めてあげましょう。


これらをくり返すことでお子さんはどこででも出来ると自信を持つことが出来ます。



自分で出来た!を増やす療育を。


自助スキルを教えることにより、日常生活でお子さんが「自分で出来た!」を増やすことができ、お子さが自信を持つことに繋がります。

Togetherのセミナーではここで説明したタスクアナリシス・バックワードチェーニング・視覚支援でなく他の方法も多く実例を多く交えながら紹介しています。ぜひ私たちのサイトでABAを学び、実践していてください。

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