キャンディが欲しく癇癪を起こす。
プールに行きたくなくて泣く。
自分を見て欲しくて奇声をあげる。
頭を掻きむしってその感覚を楽しむ。
一言で「困った行動」と言っても、様々です。
困った行動を良い行動に変えるには、
Step1)行動の機能を知る
Step2)消去する
Step3)分化強化する
の3ステップがポイントです。
Step 1)行動の機能 4つ
まず最初のステップは行動の機能を分析することです。
全ての行動は4つの獲得・逃避・注目・感覚のどれかに分類されると言われています。
1)獲得
何かが欲しくて起こす行動、例えばキャンディが欲しく癇癪を起こす。
2)逃避
何かから逃げたくて起こす行動、例えばプールに行きたくなくて泣く。
3)注目
自分を見て欲しくて起こす行動、例えば自分を見て欲しくて奇声をあげる。
4)感覚
自分の感覚を楽しむために起こす行動、例えば頭を掻きむしってその感覚を楽しむ。
お子さんの行動に困っているのであれば、まずはその行動がどんな機能を持っているのか観察しましょう。
困った行動を減らし、良い行動に置き換える1)獲得
Step2)消去
もしお子さんの困った行動の機能が獲得であれば、まずは要求を叶えない=消去が大切です。
泣いてもキャンディを買ってもらえなければ、泣いても仕方がないと理解し、一時的にその行動が増えたとしても、最終的には泣くという行動は減っていきます。
Step3)分化強化
次に、お子さんに適切な行動を教えましょう。この場合の適切な行動は「キャンディを買ってください」と丁寧にお願いをするということです。丁寧にお願いできた場合のみキャンディを買ってあげることで、お子さんの良い行動を増やすことができます。
このように適切な行動をしたときのみ強化することを分化強化、といいます。
困った行動を減らし、良い行動に置き換える2)逃避
Step2)消去
もしお子さんの困った行動の機能が逃避であれば、まずは要求を叶えない=消去が大切です。
泣いてもプールをさぼらせなければ、泣いても仕方がないと理解し、一時的にその行動が増えたとしても、最終的には泣くという行動は減っていきます。
Step3)分化強化
次に、お子さんに適切な行動を強化しましょう。この場合の適切な行動は、約束通りプールに行く、ということです。やらなければならないことを守らせ、それに対して強化することで、お子さんの良い行動を増やすことができます。
このように適切な行動をしたときのみ強化することを分化強化、といいます。
困った行動を減らし、良い行動に置き換える3)注目
Step2)消去
もしお子さんの困った行動の機能が注目であれば、まずは要求を叶えない=消去が大切です。
叫んでも石を投げても自分を見てもらえなければ、叫んだり石を投げても仕方がないと理解し、一時的にその行動が増えたとしても、最終的には叫んだり石を投げても行動は減っていきます。
Step3)分化強化
次に、お子さんに適切な行動を強化しましょう。この場合の適切な行動は、丁寧に話しかける、ということです。丁寧に話しかけたときのみ相手をしてあげることで適切な行動は強化され、お子さんの良い行動を増やすことができます。
このように適切な行動をしたときのみ強化することを分化強化、といいます。
困った行動を減らし、良い行動に置き換える4)感覚
Step2)消去
もしお子さんの困った行動の機能が感覚であれば、まずは感覚を発生させない=消去が大切です。
スイッチをパチパチして電気がつくのを楽しむお子さんであれば、電球を外してスイッチをパチパチして電気がつかないようにしたり、手をしゃぶるお子さんであれば手袋をはめさせてあげたり。
行動そのものを起こさせない方法としてレスポンスブロッキングというものもあります。
ただし、行動の機能が感覚である場合は、消去は難しいと言われています。例えば指しゃぶりが治っても、貧乏ゆすりが出てしまうなどがあります。
Step3)分化強化
お子さんに適切な行動を強化しましょう。ハンドスピナーのようなセンサリートイで遊ぶようにしたり、ボールやタオルを握りしめるよう指導したりします。適切な遊びをしているときに強化しましょう。
このように適切な行動をしたときのみ強化することを分化強化、といいます。
困った行動を良い行動に置き換える3つのステップ
このように、困った行動を良い行動に置き換えるには、
Step1)行動の機能を知る
Step2)消去する
Step3)分化強化する
の3ステップがポイントです。
是非、試して見てください。
参考文献
応用行動分析学 – 2013/5/30ジョン・O・クーパー (著), ティモシー・E・ヘロン (著), ウイリアム・L・ヒューワード (著), 中野 良顯 (翻訳)
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