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執筆者の写真ABAスクールTogether

刺激選好査定 Preference Assessment

刺激選好査定とは、強化子として使用できるお子さんの好きなものを探すアセスメントです。

正確には刺激選考査定で探せるのはお子さんの好きなもの(好子)であり、強化子(行動を増やすもの、実際に行動が増えないと強化子とは言えない)ではないのですが、好子は高い確率で強化子となることがわかっていますので1)、お子さんの好きなものを探していくことはABAセラピーを行う上で大切なことです2)。


ここでは5つの刺激選好査定を紹介します。

1)  フリーオペラント

2)  単一刺激 

3)  対刺激

4)  非差し替え型多刺激法の刺激選好査定

5)  差し替え型多刺激法の刺激選好査定






1)  フリーオペラント Free Operant


フリーオペラントでは、お子さんの周囲に様々なおもちゃを配置して自由に遊んでもらい、お子さんがどのおもちゃで長時間遊ぶのか観察するというものです2)。


例えば、部屋にブロック、クレヨン、恐竜のフィギュア、車、本を置いておいたところ、10分間で8分間恐竜のフィギュアで遊び2分ブロックで遊んだとしたら、お子さんが一番好きなおもちゃは恐竜のフィギュアで、2番目がブロックであろうと考えられます。



2)  単一刺激 Single Stimulus


単一刺激では、お子さんに1つのおもちゃだけを見せてそれで遊ぶかどうかを観察するというものです2)。


例えば、あるお子さんにクレヨンと紙を渡したら楽しそうにお絵かきをしました。今後は車のフィギュアを見せましたが興味を示しません。次にブロックを見せたら楽しそうに遊びました。このお子さんはお絵かきとブロックが好きなのだろうと推測されます。


3)  対刺激 Paired Stimulus


対刺激とは同時に2つのおもちゃを提示してお子さんに1つだけ選んで貰うというものです2)。お子さんの発達段階が進み「欲しいものを2つから1つ選ぶことができる」お子さんに使用できる方法です。


例えば、クレヨンと車を同時に見せたらお子さんはクレヨンを選びました。次にブロックと恐竜のフィギュアを見せたら恐竜のフィギュアを選びました。これを繰り返していくことで、お子さんの好きなものとそのレベルが見えてきます。

4)  非差し替え型多刺激法の刺激選好査定

Multiple Stimulus without Replacement Preference Assessment(MSWO)


非差し替え型多刺激法の刺激選好査定とは同時に多数のおもちゃ(お菓子)を提示してお子さんに1つだけ選んで貰うというものです。一度選んだものは次のアセスメントでは除いていきます2)。このようにすることで、そのお子さんの好きなものは何か、どの程度好きなのか、を把握することができます。


例えば、机の上にチョコレート・ポテトチップス・キャンディ・クッキー・リンゴを置き、「ひとつだけ食べていいよ」と伝えます。ポテトチップスを選んで食べました。

次に机の上にポテトチップスを除いてリンゴ・チョコレート・クッキー・キャンディをを置き、「ひとつだけ食べていいよ」と伝えます。リンゴを選んで食べました。

これを繰り返すことで、そのお子さんの好きなものは何か、どの程度好きなのか、を把握することができまました(1番好きなのはポテトチップス、2番目に好きなのはリンゴ・・・)




5)  差し替え型多刺激法の刺激選好査定

Multiple Stimulus with Replacement(MSW)


差し替え型多刺激法の刺激選好査定とは同時に多数のおもちゃを提示してお子さんに1つだけ選んで貰うというものです。MSWOとの違い「一度選んだもの次のアセスメントでは除かず残す」ことをという点です2)。また、提示するおもちゃのセットは毎回変えていきます。さまざまなものと比較してどうか、繰り返し選ぶほど好きなのか、など、そのお子さんの好きなものは何か、どの程度好きなのか、を把握することができます。


例えば、机の上に恐竜・ブロック・クレヨン・本を置き、「ひとつだけ食べていいよ」と伝えます。ブロックを選びました。

次に机の上に置くのは、先ほど選択したブロックと新しいおもちゃのセット(車・ぬいぐるみ・けん玉)です。「ひとつだけ選んでいいよ」と伝えます。またブロックを選びました。

これを繰り返すことで、そのお子さんの好きなものは何か、どの程度好きなのか、を把握することができまました(1番好きなのはブロック、2番目に好きなのはボールか車・・・)



まとめ


強化子として使用できるお子さんの好きなものを探すアセスメント、刺激選好査定について解説いたしました。

ABAスクールTogetherでは、行動の原理・ABAの理論を広く学び、ABA国際資格であるABATの取得を目指すことができます。是非私たちのサイトで学んで見てください。



 

参考文献

1)応用行動分析学 – 2013/5/30ジョン・O・クーパー (著), ティモシー・E・ヘロン (著), ウイリアム・L・ヒューワード (著), 中野 良顯 (翻訳)


2)The ABA Visual Language: Applied Behavior Analysis– 2017/5/1 Makoto Shibutani

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