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正の弱化 Positive Punishment


正の弱化とは、行動の後の結果として本人にとって嬉しくないことが起こり、将来的にその行動が減ることです。


日常的によく実施される正の弱化5つ(2))を紹介します。


1)叱責 Reprimands

2)条件的運動 Contingent Exercise

3)オーバーコレクション Overcorrection

4)正の練習 Positive Practice

5)負の練習 Negative Practice



正の弱化1) 叱責 Reprimands


叱責とは、口で怒ること・叱ることなどで行動を減らす手続きです2)。

例えば、「おもちゃを片付けないでそのままにしておくなんて許せないやつだな!」などの声かけです。

叱責は日常生活で最もよく見る弱化の形態です。簡単に行えるので多用されがちという問題点があります。また、行動の機能が注目である場合はむしろ強化してしまう危険があります2)。




正の弱化2) 条件的運動 Contingent Exercise


条件的運動とは、した悪い行動とは関係のない身体的苦痛を与えることで行動を減らす手続きです2)。

例えば、「授業と関係のないお喋りをしたから腕立て伏せを100回させる」などです。





正の弱化3) オーバーコレクション Overcorrection


オーバーコレクションとは、した悪い行動以上の改善を求めることで行動を減らす手続きです。

例えば、「1つの空き缶をポイ捨てしたから、町全体の掃除をさせる」などです。




正の弱化4) 正の練習 Positive Practice


正の練習とは、なんども繰り返し正しい行動をさせることでした悪い行動を減らす手続きです2)。

例えば、「ピアノを間違えて弾いたら、5回弾き直しをしないといけない」などです。



正の弱化5) 負の練習 Negative Practice


負の練習とは、行なった悪い行動をあえてなんども繰り返しさせることで、した悪い行動を減らす手続きです2)。

例えば、「廊下を走ったから、グラウンドを10周走らされる」などです。


弱化の注意点


このように弱化は困った行動を減らす効果がありますが、弱化自体は良い行動を教えてくれるものではありません2)3)。すべき行動を教えること、弱化より他に適切かつ効果的な指導法がないか検討すること、倫理的に許されるかどうか、などを検討する必要があります2)3)。

まとめ

行動を減らす正の弱化の種類について解説しました。ABAスクールTogetherでは、行動の原理・ABAの理論を広く学び、ABA国際資格であるABATの取得を目指すことができます。是非私たちのサイトで学んで見てください。




 

参考文献


1)応用行動分析学 – 2013/5/30ジョン・O・クーパー (著), ティモシー・E・ヘロン (著), ウイリアム・L・ヒューワード (著), 中野 良顯 (翻訳)


2)The ABA Visual Language: Applied Behavior Analysis– 2017/5/1 Makoto Shibutani(著)


3)日本行動分析学会 「体罰」に反対する声明




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