強化子 行動を増やすもの

強化子とは、行動を増やすものです。

例えば、食事が終わった後にお皿を台所まで運んで、お母さんにたくさん褒めてもらえたら、その次もきっとお皿を運ぼうとするでしょう。

行動（お皿を運ぶ）の直後に良い事（お母さんに褒められる）があれば、その行動（お皿を運ぶ）は増えていくと考えられます。この行動を増やす良い事を、強化子と言います。

どんなものが強化子になる？

強化子は大きく分けて2種類あります。お菓子や睡眠など生まれつき誰もが持っている欲望である無条件強化子と、おもちゃや褒め言葉・お母さんの抱っこなど生まれた後に後天的に学んだ条件付き強化子です。

​言語能力・認知機能・社会性育てば条件付き強化子が良く効きますが、小さなお子さんであればあるほどお菓子などの無条件強化子から開始したほうが良いでしょう。

次第に条件付き強化子が有効になり、最終的にはそれも省いていけるようになります。

​強化子の注意点

強化子を渡す際の注意点1点目は随伴性を伴わせるという事。

「お庭で遊んでもいい？」という許可を取る練習をしているのであれば「お庭で遊んでもいい？」と言えた時のみお外へ出る許可をする事です。

もし言えない時でもお外で遊べるのであれば「お庭で遊んでもいい？」と行動を起こすモチベーションが下がってしまいます。

強化子を渡す際の注意点2点目は望ましい行動をしたらすぐに強化子を渡すという事。

せっかくお皿を運んでもご褒美のデザートが出てくるのが30分後だったらお子さんのやる気も薄れてしまうもの。

お子さんに取ってどの行動が良かったのか解るよう強化子は良い行動が起こったらすぐに渡すようにしましょう。

強化子を渡す際の注意点3点目は強化子の量と質を調整するという事。

「クッキーちょうだい」と言う練習をしているのであれば、「クッキー」と指差した時にはクッキーをあげる量は少しだけにして、「クッキーちょうだい」と言えた時にはたくさんクッキーをあげましょう​。

努力の量に見合った量の強化子を渡すことで、より適切な行動にお子さんを導くことが出来ます。

ポイントを貯めて欲しいものと交換しよう　トークン

学校や幼稚園、出先などではなかなかその場で強化子を渡せない場合もあります。

そんな時にはトークンを使用しましょう。

トークンは5ポイント貯めたら欲しいものと交換できる、などあらかじめお子さんとルールを決めて使います。

この以下の例では良い事を5つして星のシールを5つ集めたらリンゴがもらえると約束しているトークンボードです。

トークンボードを使用する事で待つ・我慢する、事も学ぶ事が出来ます。

お気に入りのアイテムを一緒に探そう　刺激選考査定

言語能力が大人ほど発達しておらず、経験も少ないお子さんは「自分が何を欲しいか」を言えるとは限りません。

ですので、定期的にお子さんが何を今何に興味を持っているのか一緒に探してあげましょう。

​例えば、机の上に5種類のおもちゃを置きます。

最初にそれぞれのおもちゃの遊び方を見せてあげて、それから5分間自由に遊んでいいよ、と伝えます。

お子さんが一番長く手にとっていたおもちゃは何でしょうか？

刺激選考査定をすると意外なお子さんの興味が見えてきます。定期的に行いましょう。

強化子とは行動を増やすもの。

適切に強化子を渡してお子さんの良い行動を増やしてあげよう。

強化子は渡すタイミングや種類に気をつけて適切に使用すればお子さんの良い行動を飛躍的に増やしてくれます。

また褒め言葉や関わりはお子さんとの絆を深めることにも役立ちます。

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是非私たちと一緒にABAを学び、実践に移してみてください。