★Aへの戦略★ プライミング(課題予告)
- Together合同会社

- 2月5日
- 読了時間: 4分
更新日:2月6日
プライミング(Priming)とは「課題予告」のことで「事前のひと工夫で、学習者の成功を引き出す支援」です。
日々の支援や授業の中で、
「もう少しスムーズに次の活動に移行できたらいいのに」
「新しいことを始める時にに、戸惑いが少なくなれば…」
そんな場面はよくありますよね。
そんなときに役立つのが プライミング(Priming) という支援方法です。
これは、これから起こることを事前に知らせておくことで、学習者が成功しやすい状態をつくる というシンプルで効果的なアプローチです。
プライミングの目的
プライミングのねらいは、
「予測できる安心感」をつくり、学習者が落ち着いて次の活動に向かえるようにすること。
特に、変化や新しい状況が苦手な子どもにとって、
「何が起こるのか分かる」というだけで不安が大きく減り、行動が安定しやすくなります。
プライミングの実施方法
プライミングは、難しく考える必要はありません。
“これから起こることを、少し前に伝えておく” だけでOKです。
● 時間のカウントダウン
「あと5分で寝る時間だよ」
「10分後に片づけを始めるよ」
● 新しい状況に入る前の声かけ
「明日は親戚の家にに行くよ。玄関に入ったら靴を揃えようね」
● 新しい課題の前に、見通しをつくる
教材を見せる
やり方をモデル提示する
完成例を見せる
こうした小さな準備が、学習者の安心感と成功率を大きく高めます。
プライミングが有効な場面例
1. 移行(トランジション)が苦手な生徒の場合
● 状況
遊びから片づけ、教室移動、帰宅準備など、活動の切り替えで不安や抵抗が出やすい。
● なぜ有効?
「次に何が起こるか」が分かると、予測可能性が高まり、拒否やパニックが減る。
「今やっている楽しい活動」を終了する準備ができる。
● 具体的なプライミング
「あと5分で片づけを始めるよ(視覚支援のカウントダウンタイマー時計を使用)」
「このプリントが終わったら体育館に移動するよ」
「今日は教室移動が2回あるよ。最初は図書室、そのあと音楽室だよ」
2. スケジュール変更がある日
● 状況
行事、急な時間割変更、担当者の交代など。
● なぜ有効?
変化に弱い生徒は、事前に知っているだけで安心感が大きく変わる。
● 具体的なプライミング
「今日はいつもと違って3時間目に避難訓練があるよ」
「先生が体調不良でお休みだから、今日は別の先生が来るよ」
「給食のメニューが変わって、今日はカレーになるよ」
3. 新しい場所・新しい活動に入るとき
● 状況
初めての教室、初めての習い事、初めてのイベントなど。
● なぜ有効?
未知の状況は不安を引き起こしやすい。事前情報があると落ち着いて参加できる。
● 具体的なプライミング
「今日は初めて図工室に行くよ。道具がたくさんある部屋だよ」
「明日は誕生日会に行くよ。プレゼントを開けるときは座って見ていようね」
「初めてのプールだから、最初に先生の話を聞いてから入るよ」
4. 苦手な課題に取り組む前
● 状況
書字、計算、音読、工作など、本人が「難しい」「嫌だ」と感じやすい課題。
● なぜ有効?
見通しがあると、課題への抵抗が減り、成功体験につながりやすい。
● 具体的なプライミング
「今日は3問だけ計算をするよ。終わったら休憩しようね」
「このプリントは先生と一緒にやるよ。最初の1問は先生が見本を見せるね」
「今日はハサミを使うよ。切るところは線が引いてあるよ」
5. 感覚刺激が強い場面(音・光・人混みなど)
● 状況
運動会、ショッピングモール、花火、音楽の授業など。
● なぜ有効?
刺激が強い場面は予測できるだけでストレスが大幅に軽減される。
● 具体的なプライミング
「今日は体育館で大きな音がするかもしれないよ」
「ショッピングモールは人が多いよ。イヤーマフを持っていこうね」
「花火は音が大きいけど、最初に光が見えてから音がくるよ」
6. 社会的ルールが必要な場面
● 状況
誕生日会、病院、レストラン、公共交通機関など。
● なぜ有効?
事前に「どう振る舞えばよいか」を知っていると、トラブルが減る。
● 具体的なプライミング
「病院では順番を待つよ。待っている間は静かに座っていようね」
「レストランでは歩き回らないよ。注文したら座って待つよ」
「電車では声を小さくするよ」
7. コーピングスキルを使う必要がありそうな場面
● 状況
不安・怒り・緊張が予想されるイベント。
● なぜ有効?
事前にスキルを思い出すことで、実際の場面で使いやすくなる。
● 具体的なプライミング
「もし不安になったら深呼吸をしようね」
「困ったら“助けて”って言っていいよ」
「イヤーマフやタイマーを使ってもいいよ」
声かけだけで理解が難しい生徒に対しては、ビジュアルスケジュールの併用など、生徒が理解しやすいプライミングを意識するとより効果的です。
是非プライミング、活用してみてください。



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