★Aへの戦略★ 行動モメンタム
- Together合同会社

- 2月5日
- 読了時間: 4分
更新日:2月6日
子どもが苦手な課題に取りかかるとき、最初の一歩がなかなか出ないことってありますよね。
「やればできるのに、始めるまでが大変…」
そんな場面で役立つのが行動モメンタム(高確率行動・低確率行動の連続提示)です。「 Easy(簡単)、Easy(簡単)、Hard(難しい)」ということもあります。
“簡単にできる行動を2つ続けてから、難しい課題を提示する” という流れをつくることです。
行動モメンタム どうして効果が出るか?
人は、「できた!」という小さな成功が続くと、その勢いのまま次の行動に移りやすくなる という特性があります。
行動モメンタムは、この“勢い(モメンタム)”を意図的につくり出します。
簡単な指示に従う
また簡単な指示に従う
その流れのまま、難しい課題にも取り組みやすくなる
という自然な流れを活用して難しい課題に取り組みやすくします。
行動モメンタム 使用方法
Step1)
学習者が確実にできる簡単な行動を2つ選び実施する
Step2)
その後に、難しいターゲット課題を提示する
例:宿題を始めるのが苦手な場合
「リュックを持ってきて」(Easy)
「テーブルに座って」(Easy)
「宿題を始めよう」(Hard)
このように、ターゲット課題と関連のある“簡単な行動”を選ぶと、よりスムーズに流れがつくれます。
行動モメンタム いつ使える?
行動モメンタムは、ほぼどんな場面でも活用できます。
宿題の開始
おもちゃの片づけ
朝の支度
就寝前のルーティン
新しい課題の導入
外出準備
感覚的に負担のある活動の前
「この子はこれを始めるのが難しいかもしれない。」と思った際には行動モメンタムを試してみましょう
行動モメンタム 効果を高めるコツ
コツ1) Easy の行動は “必ずできるもの” を選ぶ
コツ2) できればターゲット課題と 関連のある行動 にする
コツ3) 指示は短く、分かりやすく
コツ4) 成功したらすぐに次の指示へつなげる
この流れがうまくつくれると、
「始められた!」という成功体験が積み重なり、学習者の自信にもつながっていきます。
行動モメンタム 具体例
【学校・授業】
■ 課題開始のモメンタムづくり
「鉛筆を持ってきて」(Easy)→「席に座って」(Easy)→「プリントを始めよう」(Hard)
「名前を書いて」(Easy)→「日付を書いて」(Easy)→「1問目を解こう」(Hard)
「教科書を開いて」(Easy)→「ページを見て」(Easy)→「音読を始めよう」(Hard)
「ノートを出して」(Easy)→「線を引いて」(Easy)→「書き取りを始めよう」(Hard)
■ 移行(トランジション)
「机を押し込んで」(Easy)→「立って並んで」(Easy)→「教室移動しよう」(Hard)
「椅子をしまって」(Easy)→「ランドセルを持って」(Easy)→「帰りの会に参加しよう」(Hard)
■ 苦手な活動の導入
「体育館に入って」(Easy)→「ボールを持って」(Easy)→「準備運動を始めよう」(Hard)
「絵の具を出して」(Easy)→「パレットに水を入れて」(Easy)→「絵を描き始めよう」(Hard)
【家庭】
■ 朝の支度
「顔を洗って」(Easy)→「タオルで拭いて」(Easy)→「着替えよう」(Hard)
「靴下を出して」(Easy)→「靴下を履いて」(Easy)→「制服に着替えよう」(Hard)
■ 宿題
「鉛筆を削って」(Easy)→「机に座って」(Easy)→「宿題を始めよう」(Hard)
「教科書を開いて」(Easy)→「問題を見て」(Easy)→「1問目を解こう」(Hard)
■ 就寝前
「パジャマを持ってきて」(Easy)→「着替えて」(Easy)→「歯磨きしよう」(Hard)
「おもちゃを1つ片づけて」(Easy)→「もう1つ片づけて」(Easy)→「寝る準備をしよう」(Hard)
【療育・ABAセッション】
■ 課題導入
「カードを渡して」(Easy)→「もう1枚渡して」(Easy)→「マッチングしよう」(Hard)
「机に座って」(Easy)→「手をテーブルに置いて」(Easy)→「課題を始めよう」(Hard)
■ 感覚調整
「深呼吸1回」(Easy)→「深呼吸もう1回」(Easy)→「静かに30秒座ろう」(Hard)
「手を洗って」(Easy)→「タオルで拭いて」(Easy)→「食事を始めよう」(Hard)
■ コミュニケーション
「カードを取って」(Easy)→「先生に渡して」(Easy)→「要求の練習をしよう」(Hard)
【外出・公共の場】
■ 買い物
「カートを押して」(Easy)→「商品を1つ入れて」(Easy)→「レジに並ぼう」(Hard)
「靴を履いて」(Easy)→「玄関に立って」(Easy)→「車に乗ろう」(Hard)
■ 病院
「受付票を取って」(Easy)→「椅子に座って」(Easy)→「診察室に入ろう」(Hard)
■ 公共交通機関
「切符を取って」(Easy)→「改札にタッチして」(Easy)→「電車に乗ろう」(Hard)
【社会的スキル】
■ 順番・待つ練習
「列に並んで」(Easy)→「前を向いて」(Easy)→「順番を待とう」(Hard)
「手を膝に置いて」(Easy)→「静かに座って」(Easy)→「話を聞こう」(Hard)
■ コミュニケーション
「先生を見て」(Easy)→「口を開けて」(Easy)→「挨拶しよう」(Hard)
【思春期・成人支援】
■ 自立支援
「洗濯物を集めて」(Easy)→「洗濯機に入れて」(Easy)→「スイッチを押そう」(Hard)
「机を片づけて」(Easy)→「ゴミを捨てて」(Easy)→「作業を始めよう」(Hard)
■ 生活スキル
「レシピを見て」(Easy)→「材料を出して」(Easy)→「料理を始めよう」(Hard)
【職場支援】
■ 作業開始
「パソコンを開いて」(Easy)→「メールをチェックして」(Easy)→「資料作成を始めよう」(Hard)
「書類をまとめて」(Easy)→「机に置いて」(Easy)→「報告書を書こう」(Hard)
【発達障害支援で特に効果的な例】
「イヤーマフを持ってきて」(Easy)→「つけて」(Easy)→「教室に入ろう」(Hard)
「カードを1枚選んで」(Easy)→「スケジュールに貼って」(Easy)→「活動を始めよう」(Hard)
「1分だけ座って」(Easy)→「もう1分座って」(Easy)→「課題を始めよう」(Hard)




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