★Aへの戦略★ 先行介入
- Together合同会社

- 2月8日
- 読了時間: 3分
ABA(応用行動分析)では、問題行動が起きてから対応するよりも、 「起きる前に予防する」 ことがはるかに効果的だと考えます。
その中心にあるのが 先行介入(Antecedent Intervention) です。
先行介入とは、 問題行動が起きる前に、環境・課題・関わり方を調整して行動を安定させる方法 のこと。
行動の“引き金”となる状況(Setting Events)を変えることで、 問題行動そのものを減らすことができます。
なぜ先行介入が重要なのか?
先行介入は、ABA の中でも特に 優しく、予防的で、効果の高いアプローチ です。
問題行動が起きてから対応するより、 起きないようにする方がずっと楽で成功しやすい
本人のストレスが減り、成功体験が増える
支援者も落ち着いて関われる
長期的に行動が安定しやすい
「行動を変える」だけでなく、 “行動が起きる背景” を変える のが先行介入の特徴です。
代表的な先行介入の方法
● 環境調整
● プライミング (Priming)
事前に流れや内容を伝えておくことで、 見通しが立ち、混乱が減る。
例: 「今日はこの順番でやるよ」 「あと5分で片づけるよ」
● プレマックの原理 (Premack Principle)
「先に○○したら、あとで△△できるよ」という方法。
例: 「宿題が終わったらゲームしよう」
● 行動モメンタム (Behavioral momentum)
成功しやすい指示をいくつか出してから、 本命の難しい指示を出す方法。
例: 「立って → 手を叩いて → 笑って → じゃあ宿題しよう」
● 選択肢を与える (Providing Choices)
選択肢を与えることで、 主体性が高まり、拒否行動が減る。
例: 「鉛筆とペン、どっちで書く?」 「先に算数と国語、どっちからやる?」
●「ダメ」をより良く伝える
● 機能的コミュニケーション訓練(FCT, Functional Communication Training)
困った行動の代わりに、 適切な伝え方(要求・拒否・助けを求めるなど) を教える。
● Noncontingent Reinforcement(非随伴性強化)
問題行動とは関係なく、 一定の間隔で強化を与える 方法。
例:5分ごとに注目を向ける、短い休憩を入れる。
● Assigning Responsibility(責任の付与)
小さな役割を任せることで、 自信・自立・参加意欲 を高め、問題行動を減らします。
例:出席係、配り物係、植物の水やりなど。
● Building Rapport(ラポール形成)
信頼関係があると、 指示が通りやすく、問題行動が起きにくくなります。
例:好きな話題で会話する、短い遊びを一緒にする。
● Errorless Learning(エラーレスラーニング)
失敗を最小限にし、 成功しやすい環境で学習を進める方法。
例:最初は強いプロンプトで確実に成功させ、徐々にフェードする。
● Making Accommodation to Tasks(課題の調整)
課題の量・難易度・形式を調整し、 取り組みやすくする。
例:問題数を減らす、選択式にする、視覚的に整理する。
● Practicing Relaxation Techniques(リラクゼーション練習)
呼吸法やストレッチなど、 落ち着くためのスキル を事前に練習しておく。
● Role Play(ロールプレイ)
実際の場面を想定して練習することで、 本番での不安や問題行動を減らす。
● Social Narratives(ソーシャルストーリー)
短い文章や絵で、 状況・期待される行動・理由 をわかりやすく伝える。
● Visual Schedule(視覚的スケジュール)
1日の流れや活動の順番を視覚化し、 見通しを持てるようにする。
まとめ:先行介入は“問題行動を起こさせない”優しい支援
先行介入(Antecedent Intervention)は、 問題行動が起きる前に環境を整えることで、 本人も支援者もストレスが少なく、成功しやすい方法です。
見通しをつくる
選択肢を与える
課題を調整する
コミュニケーション手段を用意する
信頼関係を築く
こうした小さな工夫が、 日常の安定につながります。




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