エラーコレクション Model → Prompt → Re-do
- ABAスクールTogether

- 1 日前
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ABA(応用行動分析)では、生徒がが学習中に誤反応したとき、どのように対応するかが学習の質を大きく左右します。
その対応方法のひとつが エラーコレクション(Error Correction) です。
この記事では、
⚫︎エラーコレクションとは何か?
⚫︎代表的なエラーコレクションの手続き「モデル‐プロンプト‐リドゥ」
⚫︎それでも正反応が出ないときの対処法
を現場で使える形でまとめて解説します。
1. エラーコレクションとは?
エラーコレクションとは、
誤反応が起きたときに、正しい反応を確実に学べるようにするための体系的な手続き
です。
目的は「間違いを指摘すること」ではありません。
正しい反応を学習しやすいように環境を整えることが目的です。
エラーコレクションの基本原則
⚫︎誤反応には強化を与えない
⚫︎叱責や注意はしない
⚫︎正しい反応をすぐに練習し直す
⚫︎必ず「正しい反応で終わる」ようにする
⚫︎子どもの自信を損なわないように進める
ABAでは、誤反応を放置すると誤った学習が固定されてしまうため、
誤反応の直後に正しい反応を練習することが非常に重要です。
2. モデル‐プロンプト‐リドゥ(Model → Prompt → Re-do)とは?
エラーコレクションの中でも、最も使いやすく再現性が高いのが
モデル‐プロンプト‐リドゥです。
一言で言うと、
誤反応 → 正しい反応を見せる → プロンプトで成功 → もう一度やり直す
という流れです。
3. モデル‐プロンプト‐リドゥの3ステップ
① Model(モデル:正しい反応を見せる)
誤反応が起きたら、まずは教師が正しい反応を短く・明確に示す。
例:
「赤を指して」→子どもが青を指す
→ 教師が赤を指しながら「赤はこれだよ」と示す
ポイント
注意や叱責はしない
モデルは短く、視覚的に
表情はニュートラルに
② Prompt(プロンプト:正しい反応を成功させる)
次に、必ず成功できる強さのプロンプトを使って正反応を出させる。
例:
手を添えて赤を指させる
→ 成功したら強化(褒める・物を渡す)
ポイント
⚫︎必ず成功させる
⚫︎プロンプトは必要最小限
⚫︎成功したら強化を与える
③ Re-do(リドゥ:同じ課題をプロンプトなしで再提示)
最後に、同じ課題をもう一度、プロンプトなしで提示する。
例:
「赤を指して」
→ 自力で赤を指せたら強化
ポイント
⚫︎必ず“正しい反応で終わる”
⚫︎リドゥはすぐに行う(数秒以内)
例:色カードの識別
教師「赤を指して」
生徒:青を指す(誤反応)
Model:教師が赤を指す
Prompt:手を添えて赤を指させる → 強化
Re-do:「赤を指して」
子どもが自力で赤を指す → 強化
モデル‐プロンプト‐リドゥで正反応が出ないときの対応
ここが現場で最も悩むポイントです。
結論から言うと、
正反応が出ないのは、子どもではなく「課題設定」や「プロンプト設計」の問題。
成功できるレベルまで戻すことが最も効果的。
以下に、対応策を重要度順にまとめます。
① プロンプトを強くする(最優先)
プロンプトが弱いと、成功できません。
物理的プロンプトを強める
手を添える位置を変える
視線誘導を追加する
モデルをより明確にする
“必ず成功する強さ”までプロンプトを上げることが鉄則。
② 課題を簡単にする(難易度調整)
誤反応が続くときは、識別が難しすぎることが多いです。
例:
3枚 → 2枚に減らす
似たカード → 違いが大きいカードに変更
正解カードを大きくする
正解カードを近くに置く(位置プロンプト)
③ エラーレスティーチングに切り替える
誤反応が続く場合は、
最初からプロンプトを先に出してエラーを出させない方法に切り替える。
例:
「赤を指して」
→ すぐに手を添えて赤を指させる
→ 成功を積み重ねてからプロンプトを薄める
④ 強化の価値を見直す
モチベーションが低いと、正反応は出ません。
強化子を変える
強化の量を増やす
強化のタイミングを早くする
強化子の選択肢を増やす
⑤ SD(指示)の明確化
指示が長い・曖昧だと反応が出ません。
指示を短くする(例:「赤」だけ)
材料を整理する
視覚的な手がかりを追加する
まとめ
エラーコレクションとは、誤反応が起きたときに正しい反応を確実に学ばせるための手続きです。中でもモデル‐プロンプト‐リドゥは、正しい反応を見せ(モデル)、必要なプロンプトで成功させ、同じ課題をプロンプトなしでやり直す(リドゥ)というシンプルで効果的な方法です。
もし正反応が出ない場合は、プロンプトを強める・課題を簡単にする・エラーレスティーチングに切り替えるなど、成功できるレベルまで戻すことが大切です。誤反応が続くのは子どもの問題ではなく、課題設定の問題であることがほとんどです。


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