ABAにおけるトレーニングとは?BST(Behavior Skills Training)とTeach‑backトレーニング
- ABAスクールTogether

- 6月1日
- 読了時間: 4分
ABA(応用行動分析)の実践では、スタッフ・教師・保護者など、多くの人が「正しい支援方法」を学び、現場で再現できるようになる必要があります。
そのために欠かせないのが トレーニング(技能訓練) です。
この記事では、
ABAにおけるトレーニングとは何か
BST(Behavior Skills Training)とは何か
Teach‑backトレーニングとは何か
を、現場で使える豊富な例とともに解説します。
ABAにおける「トレーニング」とは?
ABAにおけるトレーニング=望ましい行動を“正確に・一貫して・再現可能に”実行できるようにする体系的な指導プロセス です。
トレーニングの目的
行動を習得させる
手順の正確性(procedural integrity)を高める
一般化・維持を促す
現場で再現できるスキルを身につける
ABAでよく使われるトレーニング方法
BST(Behavior Skills Training)行動スキルトレーニング
Teach‑back ティーチバック
ABAのトレーニングは、行動の習得 → 正確性 → 般化までを一貫して扱う点が特徴です。
BST(Behavior Skills Training 行動スキルトレーニング)とは?
BSTは、ABAで最もエビデンスが確立しているトレーニング方法のひとつ。 説明 → モデリング → リハーサル → フィードバック の4ステップで構成されます。
① 説明(Instruction)
支援者が、行動の定義や手順を言語で説明する。
例:DTTの説明 「DTTは“指示 → 反応 → 結果”の3ステップで進みます」
② モデリング(Modeling)
支援者が、正しい行動を実際にやって見せる。
例:エラー訂正の見本を見せる 支援者が「違うよ、これは○○だよ」と正しい手順を実演。
③ リハーサル(Rehearsal)
学習者が実際にやってみる。
例:学習者がDTTを実施してみる
④ フィードバック(Feedback)
良い点と修正点を伝える。
例) DTT(離散試行訓練)のBST
1. 説明
「DTTは“指示 → 反応 → 結果”の3ステップで進みます」
2. モデリング
支援者が実際にDTTを行う 「これは何?」→ 子どもが反応 → 強化 or エラー訂正
3. リハーサル
学習者が実際にDTTをやってみる
4. フィードバック
「指示は良かったよ。次は反応の待ち時間を3秒にしてみよう」
例) 保護者支援:要求の教え方(FCT)のBST
1. 説明
「要求は“欲しいものを言葉やジェスチャーで伝える行動”です」
2. モデリング
支援者が例を見せる 「お菓子が欲しいとき“ちょうだい”と言う」
3. リハーサル
保護者が自分の子どもの例で練習
4. フィードバック
「とても良いです。“要求したらすぐ渡す”を徹底すると成功しやすいですよ」
BSTの強み
行動の習得に非常に効果的
実演と練習があるため、定着しやすい
手順の正確性が高まりやすい
BSTの弱み
時間がかかる
場所や教材が必要なことが多い
忙しい現場では実施が難しいことも
そこで登場するのが、Teach‑back です。
Teach‑backトレーニングとは?
Teach‑back=学習者が“自分の言葉で説明し返す”ことで理解を確認するトレーニング方法。
BSTが「できるようにする」ためのトレーニングだとすれば、 Teach‑backは 「理解しているかを確認する」ための最速の方法。
Teach‑back の基本ステップ
短く説明する
学習者に説明させる
ズレを修正する
修正した部分を再説明させる
Teach‑back の強み
理解の“穴”が即わかる
資料不要
どこでも実施可能(5分でできる)
BSTより軽量で、現場で使いやすい
保護者・教師・新人スタッフに特に有効
研究(Sleiman et al., 2023)では、 Teach‑back だけで 88% の正確性、 Teach‑back+フィードバックで 100% に到達。
Teach‑back の実例
1) 強化の説明
短く説明 「強化は“行動の後に良いことを足して、その行動を増やす”方法です」
説明させる 「現場での例を1つ説明してみて」
ズレ修正 学習者「怒らなければ強化です」 指導者「“怒らない”は強化ではないよ」
再説明 「宿題を始めたら5分ゲームをしていいよ、と伝えることです」
2) 学校:先行介入(予防的支援)
短く説明 「先行介入は“問題が起きる前に環境を整える”方法です」
説明させる 「あなたのクラスで使える例を説明してみて」
ズレ修正 教師「怒りそうになったら注意します」 指導者「それは“反応”。先行子操作は“起きる前”だよ」
再説明 「課題量を調整して成功しやすくすることです」
3) ペアレントトレーニング:要求の教え方(FCT)
短く説明 「要求は“欲しいものを言葉やジェスチャーで伝える行動”です」
説明させる 「お子さんの“増やしたい要求行動”を説明してください」
ズレ修正 保護者「泣かなくなればOKです」 指導者「泣かない=要求ではないよ」
再説明 「お菓子が欲しいとき“ちょうだい”と言えるようにすることです」
4) 放デイ:トークンエコノミー
短く説明 「トークンは“行動の後にポイントを渡し、一定数で交換できる仕組み”です」
説明させる 「交換のルールを説明してみて」
ズレ修正 学習者「好きなときに交換できます」 指導者「“一定数たまったら”が必要だよ」
再説明 「5枚たまったらお菓子と交換できます」
まとめ
支援の質は、知識や経験だけでは守れません。 正しい手順を、正しく実行できる人を育てること。 そのために、トレーニングは欠かせない基盤です。
BSTで「できるようにする」。
Teach‑backで「理解しているか確かめる」。
この2つがそろって、初めて支援は安定します。
忙しい現場だからこそ、 “説明して終わり”ではなく出来るようになるまでトレーニングすることを習慣づけてください。




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