ご褒美依存にならないの? ABAでご褒美を使用するコツ
- ABAスクールTogether

- 11 時間前
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質問)
「宿題が終わったらおやつを食べられる」「片付けをしたらシールを貰えて、それを集めたらご褒美と交換できる」
このように何かをやったらご褒美をあげるというような方法を学びました。
ご褒美が目的になってしまうことがあるため、ご褒美制度はあまり良くないと聞いたことがあるのですが、その点はどうなのでしょうか?
回答)
ABAの基本的な立場
ABAでは、強化は行動を増やすための科学的に最も確実な方法です。 そして強化子(ご褒美)は、
行動を始めるきっかけ
行動を続ける理由
行動を安定させる仕組み として機能します。
つまり、ご褒美制度そのものは「悪い」わけではなく、むしろ適切に使えば非常に効果的です。
「ご褒美が目的になってしまう」問題はどう考える?
ABAでは、この懸念は次のように整理できます。
1. 最初は“外的動機づけ”でOK
苦手な課題・新しい行動・習慣化していない行動は、 そもそも内的動機づけが弱いため、外的強化が必要です。
例:
勉強が苦手 → 勉強そのものはまだ強化されていない
片付けが嫌い → 片付けの行動に強化の歴史がない
この段階で「自発的にやってほしいからご褒美は使わない」は、 強化の仕組みを断つことになり、行動が育ちません。
2. “ご褒美が目的”はむしろ正常な学習プロセス
行動は「結果によって変わる」ため、 最初はご褒美が目的になるのは自然なことです。
しかし、行動が安定してくると、
できるようになった達成感
認められる経験
自分でできる快適さ など、内的強化が育っていきます。
ABAではこれを「強化の移行」と呼びます。
3. 問題が起きるのは“使い方が不適切なとき”
例えば:
強化が大きすぎて依存を生む
行動と強化の関係が曖昧
強化が固定されて飽きる
強化を脅しのように使う(やらないならあげないよ!)
強化を突然ゼロにする
これらは「ご褒美制度が悪い」のではなく、 強化の設計がうまくいっていないだけです。
ご褒美制度を“良い形”で使うためのABA的ポイント
1. 行動と強化の関係を明確にする(明確性)
「何をしたら何がもらえるか」がはっきりしているほど効果的。
2. 小さな行動から強化する(成功体験の積み上げ)
Premackの原理や行動モメンタムと相性が良い。
3. 強化を徐々にフェードアウトする
連続強化 → 間欠強化
物質的強化 → 社会的強化
外的強化 → 内的強化
この移行ができれば「ご褒美がないとできない」は起きにくい。
支援者はこの移行が上手くいくようサポートしていきましょう。
4. 強化の種類をバリエーション豊かにする
飽きや依存を防ぎ、自然な強化に近づける。
5. “脅し”ではなく“支援”として使う
強化は「やらないと損をする」ではなく 「やったら嬉しいことがある」という形で使う。
結論:ご褒美制度は“正しく使えば”とても良い
ABAの視点では、 ご褒美制度は「悪い」どころか、行動を育てるための重要なツールです。
ただし、
行動が安定してきたら強化をフェードアウトする
強化の種類を広げる
内的強化へ移行する という設計が必要です。
目的が「子どもが自分で取り組めるようになること」なら、ご褒美制度は積極的に使ってよいというのがABAの立場です。

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