シェイピング(Shaping)
- ABAスクールTogether

- 2月11日
- 読了時間: 6分
更新日:2月13日
子どもに新しいスキルを教えるとき、 「いきなり全部は難しい…」 「どう段階を踏めばいいの?」
そんなときに役立つのが シェイピング(Shaping/行動形成) です。
シェイピングは、 “少しずつできる範囲を広げていく” ABAの代表的な指導法。 今日はその仕組みと実践方法を、わかりやすく紹介します。
1. シェイピングとは?
シェイピングとは、 望ましい行動に近づく“段階的な行動”を強化しながら、最終的な目標行動へ導く方法。
できた部分を強化する
少しずつ基準を上げる
以前の段階は強化しない(弱める)
という 分化強化(Differential Reinforcement) を使うのが特徴。
✔ 例:子どもにスキップ場合
ステップ1:片足で立つ
ステップ2:片足で軽くジャンプ
ステップ3:片足ジャンプを連続で2回
ステップ4:ジャンプ → 歩く を交互に
ステップ5:ジャンプとステップのリズムを整える
ステップ6:スキップの形に近づける
ステップ7:完成形のスキップを強化
このように、 “できるところから始めて、少しずつ完成形に近づける” のがシェイピング。
2. シェイピングのステップ
シェイピングは、ただ褒めるだけではなく、 しっかりとした手順で進める必要があります。
✔ ステップ1:目標行動を明確にする
どんな行動を
どのくらいの質・量で
どんな条件で
できれば「観察可能・測定可能」に定義する。
✔ ステップ2:現在のレベル(ベースライン)を確認
今どこまでできているかを把握する。
✔ ステップ3:段階(近似行動)をリスト化
タスク分析のように、 目標に向かう小さなステップを作る。
✔ ステップ4:今の段階を強化
そのステップが安定してできるまで強化する。
✔ ステップ5:次の段階へ進む
前の段階は強化しない(弱める) → 新しい段階を強化する
✔ ステップ6:最終行動に到達したら維持・般化へ
自然場面でもできるように練習する。
3. シェイピングは時間がかかる…でも効果は大きい
シェイピングは、 一歩ずつ進むため時間がかかることが多い。
進んだり戻ったりする
すぐに次の段階に行けないこともある
基準が高すぎると行動が出なくなる
基準が低すぎると進まない
だからこそ、 適切な基準設定と丁寧な観察がとても重要。
4. シェイピングには2種類ある
① 反応トポグラフィー間シェイピング(Across Topographies)
行動の“形そのもの”が変わっていくタイプ。
例:
ダンスの初心者ステップ → 中級ステップ → 上級ステップ
「あ」→「ありがとう」のように発声が変わる
② 反応トポグラフィー内シェイピング(Within Topographies)
行動の形は同じだが、 量・強さ・速さなどの“次元”が変わるタイプ。
例:
ピアノの練習時間を少しずつ伸ばす(持続時間)
声が大きすぎる子に、少しずつ小さい声を強化する(音量)
5. シェイピングが役立つ場面
発語の練習
食事スキル
運動スキル
社会的スキル
自立課題(着替え・掃除など)
学習スキル(書字・読字)
「いきなり全部は難しい」 そんな場面でシェイピングはとても有効です。
まとめ:シェイピングは“成功体験を積み重ねる技術”
シェイピングは、 子どもができるところから始めて、少しずつ成功を積み重ねる方法。
小さな成功を強化する
少しずつ基準を上げる
できたら次のステップへ
最終的に目標行動へ到達する
このプロセスが、 子どもの自信とスキルを大きく育てていきます。
【問題1】
子どもに「静かに座る」スキルを教えるため、支援者はまず“5秒座れたら強化”、次に“10秒座れたら強化”、その後“20秒座れたら強化”と段階を上げていった。この手続きとして最も適切なのはどれか。
A. チェイニング
B. シェイピング(反応トポグラフィー内)
C. シェイピング(反応トポグラフィー間)
D. フェイディング
答え:B
解説: 行動の形は同じ(座る)が、持続時間という“次元”を伸ばしているため、反応トポグラフィー内シェイピング。
【問題2】
「鉛筆を正しく持つ」スキルを教えるため、支援者は最初に“鉛筆を握れたら強化”、次に“3本指で持てたら強化”、その後“正しい位置で持てたら強化”と段階を進めた。この手続きとして最も適切なのはどれか。
A. 反応トポグラフィー間シェイピング
B. 反応トポグラフィー内シェイピング
C. フェイディング
D. モデリング
答え:A
解説: 鉛筆の持ち方という 行動の“形そのもの”が変化しているため、反応トポグラフィー間シェイピング。
【問題3】
「“おはようございます”と言えるようにする」ため、支援者は“お”→“おは”→“おはよ”→“おはよう”→“おはようございます”と段階を設定した。しかし、子どもは“おはよ”まで言えるようになった後も、次の段階に進まなかった。このとき最も適切な対応はどれか。
A. “おはよ”も引き続き強化する
B. “おはよ”の強化をやめ、“おはよう”だけを強化する
C. モデリングを追加する
D. 強化子の質を下げる
答え:B
解説: シェイピングでは 前の段階を強化し続けると停滞する。次の段階だけを強化する必要がある。
【問題4】
「ボールを遠くに投げる」スキルを教えるため、支援者は“1m投げられたら強化”、次に“2m”、その後“3m”と距離を伸ばしていった。しかし、3mの段階に進んだ途端、子どもが投げる行動自体をやめてしまった。このとき最も考えられる問題はどれか。
A. 強化子が強すぎた
B. 基準が急に高くなりすぎた
C. 反応クラスが異なる
D. モデリングが不十分
答え:B
解説: 基準が高すぎると 行動が消失(消去) しやすい。シェイピングでは基準設定が重要。
【問題5】
「片付けの開始までの時間(反応潜時)を短くする」ため、支援者は“30秒以内に動き出したら強化”、次に“20秒以内”、その後“10秒以内”と基準を下げていった。この手続きの分類として最も適切なのはどれか。
A. 反応トポグラフィー間シェイピング
B. 反応トポグラフィー内シェイピング
C. フェイディング
D. チェイニング
答え:B
解説: 行動の形は同じだが、反応潜時(開始までの時間)という次元を変えているため、反応トポグラフィー内シェイピング。
【問題6】
「読書時間を伸ばす」ため、支援者は“1分読めたら強化”、次に“2分”、その後“3分”と段階を上げていった。しかし、子どもは2分の段階で頻繁に席を立つようになった。このとき最も適切な対応はどれか。
A. 3分の段階に進む
B. 1分の段階に戻して強化する
C. 強化子を弱める
D. 読書のモデリングを行う
答え:B
解説: シェイピングでは 必要に応じて段階を戻す ことが重要。行動が安定していない段階で基準を上げると崩れやすい。
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