プロンプトフェイディング(Prompt Fading)
- ABAスクールTogether

- 2月11日
- 読了時間: 5分
更新日:2月13日
ABAでは、プロンプト(手がかり)を使って正しい行動を引き出すことがよくあります。
プロンプトは“使うこと”だけでなく “どう減らしていくか(フェイディングしていくか)” がとても大切。
プロンプトを適切にフェイディングできると、
子どもが自分の力でできるようになる
プロンプト依存を防げる
自然な場面でも行動が出やすくなる
という大きなメリットがあります。
この記事では、ABAでよく使われる 3つのプロンプトフェイディングの手続き を、例とともにわかりやすく紹介します。
1. Time Delay(タイムディレイ/プロンプト遅延)
SD(指示)を出してからプロンプトを出すまでの時間を少しずつ伸ばしていく方法
プロンプトの“種類”は変えず、 出すタイミングだけを遅らせる のがポイント。
✔ どんなときに使う?
子どもが自発的に反応するチャンスを増やしたい
プロンプトを急に減らすと誤反応が増えそうなとき
✔ 例
「手を洗ってね」と伝える → すぐに蛇口を指さして促す(初期) → 3秒待ってから指さす(後期)
少しずつ待つ時間を伸ばすことで、 子どもが自分で行動を始める機会が増える。
2. Stimulus Fading(刺激フェイディング)
刺激そのものに加えたプロンプトを、少しずつ弱めていく方法
刺激プロンプト(位置・色・大きさなど)を使ったときに特に有効。
✔ どんなときに使う?
刺激の強調(太線・色・大きさ)を使って教えているとき
プロンプト依存を防ぎたいとき
✔ 例
まっすぐ線を引く練習 → 最初は太いガイドライン → 少し細くする → さらに薄くする → 最終的にガイドなしで書けるようにする
刺激の強調を少しずつ減らし、 自然なSD(指示)だけで行動できるようにする。
3. Stimulus Shaping(刺激シェイピング/刺激形態変換)
刺激の“形そのもの”を、徐々に自然なSDへ変えていく方法
刺激フェイディングが「強調を弱める」のに対し、 刺激シェイピングは “形を変える” のが特徴。
✔ どんなときに使う?
刺激の形を変えながら徐々に本来の刺激に近づけたいとき
読み・書き・識別課題などで有効
✔ 例
「heart」という単語を読む練習 → 最初は“ハートの形”のイラスト → 少しずつ形を文字に近づける → 最終的に “heart” の文字だけで読めるようにする
刺激の形を段階的に変えることで、 自然な刺激にコントロールを移していく。
まとめ:プロンプトは“手助け”、フェイディングは“手助けを減らす技術”
プロンプトは、子どもができるようになるまでの手助け。 でも、手助けを外すタイミングと方法を間違えると、
プロンプト依存
自発的な行動が出ない
自然場面で行動が維持されない
といった問題につながります。
だからこそ、 Time Delay・Stimulus Fading・Stimulus Shaping のようなフェード手続きがとても重要です。
タイミングを遅らせる(Time Delay)
強調を弱める(Stimulus Fading)
形を変える(Stimulus Shaping)
この3つを使い分けることで、 子どもが “自分の力でできる” 未来に近づいていきます。
【問題1】
支援者は「手を洗ってね」と伝えた後、3秒待った。しかし子どもが動かなかったため、蛇口を指さして促した。翌週は5秒待ってから同じジェスチャーを行った。この手続きとして最も適切なのはどれか。
A. 刺激フェイディング
B. タイムディレイ(プロンプト遅延)
C. 刺激シェイピング
D. 最小→最大プロンプト
答え:B
解説: プロンプトの“種類”は変えず、出すタイミングだけ遅らせているためタイムディレイ。
【問題2】
子どもが「まっすぐ線を引く」練習をしている。最初は太いガイドラインを使い、徐々に細く・薄くしていき、最終的にガイドなしでも線が引けるようになった。この手続きはどれか。
A. 刺激フェイディング
B. 刺激シェイピング
C. タイムディレイ
D. モデリング
答え:A
解説: 刺激の“強調”(太さ・濃さ)を少しずつ弱めている → 刺激フェイディング。
【問題3】
「heart」という単語を読む練習で、最初は“ハートの形”のイラストを提示し、徐々にその形を文字に近づけ、最終的に“heart”の文字だけで読めるようにした。この手続きはどれか。
A. 刺激フェイディング
B. タイムディレイ
C. 刺激シェイピング
D. 反応プロンプト
答え:C
解説: 刺激そのものの“形”を段階的に変えて自然なSDに近づけている → 刺激シェイピング。
【問題4】
支援者は「片付けてね」と伝えた後、すぐにモデリングを行っていた。しかし、最近はまず5秒待ち、子どもが動かなかったときだけモデリングを行うようにした。この変更の目的として最も適切なのはどれか。
A. 刺激フェイディングを強化するため
B. プロンプト依存を防ぎ、自発反応を増やすため
C. 刺激シェイピングの精度を上げるため
D. 反応プロンプトの種類を増やすため
答え:B
解説: 待つ時間を設けることで 自発的な反応の機会を増やし、プロンプト依存を防ぐ 目的がある。
【問題5】
“赤い丸を選ぶ”課題で、支援者は赤い丸だけ大きく印刷していた。徐々に大きさの差を小さくし、最終的に同じサイズのカードでも正しく選べるようになった。この手続きはどれか。
A. 刺激フェイディング
B. 刺激シェイピング
C. タイムディレイ
D. 最大→最小プロンプト
答え:A
解説: 刺激の“強調”(大きさ)を弱めて自然なSDに移行している → 刺激フェイディング。
【問題6】
支援者は「ジャンプして」と伝えた後、すぐにモデリングを行っていた。しかし、最近はまず2秒待ち、子どもが自発的にジャンプしなかったときだけモデリングを行うようにした。この変更はどの手続きに該当するか。
A. 刺激フェイディング
B. タイムディレイ
C. 刺激シェイピング
D. 最小→最大プロンプト
答え:B
解説: プロンプトの種類は変えず、出すタイミングを遅らせている → タイムディレイ。
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