情動反応・誘発反応への対応
- ABAスクールTogether

- 22 時間前
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ABAの介入を始めると、 「行動は減ったけど、怒りっぽくなった」 「泣く・叫ぶ・手が出るなどの反応が増えた」 そんな経験はありませんか?
実はこれは、ABAの世界ではよく知られた現象で、 情動反応(Emotional Responses) と 誘発反応(Elicited Behaviors) と呼ばれます。
今日は、これらの反応がなぜ起こるのか、どう対応すればいいのかを、わかりやすくまとめます。
情動反応とは?
情動反応とは、 介入によって生じる怒り・不安・いらだちなどの感情的な反応 のこと。
特に起こりやすいのは…
消去(Extinction)
弱化(Punishment)
強化の撤去
など、これまで得られていた強化が急に得られなくなる場面。
✔ 例
お菓子が欲しくて泣く → これまではもらえていた ↓ 介入で「泣いても渡さない(消去)」に変える ↓ 泣きが強くなる、叫ぶ、叩くなどが増える
これは 消去バースト と呼ばれる自然な反応です。
誘発反応とは?
誘発反応とは、 生理的・反射的に起こる反応 のこと。
例:
汗をかく
心拍数が上がる
体がこわばる
これらは「わざと」ではなく、 ストレスや不安が高まったときに自然に出る反応です。
なぜ情動反応・誘発反応が起こるの?
✔ ① 強化が得られなくなる
→ 不満・怒り・混乱が生じる
✔ ② 新しいルールに慣れていない
→ 不安や抵抗が出る
✔ ③ 介入が急すぎる
→ ストレスが大きくなる
✔ ④ コーピングスキル(対処スキル)が未発達
→ 感情をうまく処理できない
情動反応・誘発反応への対応
① 情動反応を“予測”しておく
「起こるかもしれない」と知っているだけで、支援者の心構えが変わる。
②手続きを調整する
消去を急にしない
強化スケジュールをゆっくり薄める
プロンプトを段階的に減らす
代替行動を同時に教える(DRA)
③ コーピングスキルを教える
深呼吸
ストレスボール
休憩の取り方
気持ちの言語化
「助けて」と言う練習
行動介入と並行して、感情の扱い方も教えることが大切です。
ケース例
Aくんは「叫ぶとおもちゃがもらえる」経験を繰り返していた。
介入として 消去(叫んでもおもちゃを渡さない) を導入すると…
叫びが強くなる
叩くなどの攻撃行動が出る
泣く・体がこわばる
など、情動反応・誘発反応が見られた。
支援者は次のように対応した。
✔ ① 情動反応を認める
「今はつらいよね」と共感的に対応。
✔ ② データを取り、強度を評価
反応が強すぎる場合は手続きを調整。
✔ ③ DRA(代替行動の強化)を導入
「ちょうだい」と言えたらすぐに強化。
✔ ④ コーピングスキルを提供
ストレスボール
深呼吸
落ち着くスペース
これにより、Aくんは徐々に叫ぶ行動が減り、 代わりに「ちょうだい」と言えるようになった。
まとめ:行動介入は“感情”もセットで考える
行動が変わるとき、 感情も揺れ動くのは自然なこと。
大切なのは…
情動反応・誘発反応を理解する
予測し、観察し、必要に応じて調整する
代替行動とコーピングスキルを同時に教える
行動だけでなく、 子どもの気持ちも大切にする介入が、長期的な成功につながります。
【問題1】
これまで「お菓子ちょうだい!」と叫ぶと必ずもらえていた子どもに対し、支援者は 消去(叫んでも渡さない) を導入した。すると、叫び声が大きくなり、泣き叫び、床を叩く行動が増えた。 このとき最も適切な説明はどれか。
A. 新しい問題行動が学習された
B. 誘発反応が起きている
C. 消去バーストによる情動反応が起きている
D. 強化スケジュールが薄すぎるため起きている
正解:C
解説: 強化が得られなくなったことで 情動反応が一時的に強くなる(消去バースト)。 誘発反応は生理的反応(汗・心拍など)を指すためBは不正解。
【問題2】
タブレットの使用時間を制限する介入を始めたところ、子どもは
顔が赤くなる
呼吸が早くなる
といった反応を示した。 これらの反応として最も適切なのはどれか。
A. 新しい問題行動の獲得
B. 誘発反応(Elicited Behaviors)
C. 代替行動の形成
D. 強化の不足による行動減少
正解:B
解説: これらは 生理的・反射的に起こる誘発反応。 意図的な問題行動ではない。
【問題3】
「要求を叫び声ではなく“ちょうだい”で伝える」介入を行ったところ、叫び声は減ったが、代わりに 叩く・物を投げる などの攻撃行動が増えた。 このとき最も適切な対応はどれか。
A. 消去を続け、攻撃行動も無視する
B. 介入を中止し、元の強化に戻す
C. 手続きを見直し、DRA(代替行動強化)を強化する
D. 攻撃行動を弱化する
正解:C
解説: 攻撃行動の増加は 情動反応の高まり の可能性が高い。 この場合は 代替行動の強化(DRA)を強め、手続きを調整 するのが適切。
【問題4】
「順番を待つ」スキルを教え、教室では落ち着いて待てるようになった。しかし、校庭では怒りっぽくなり、順番を抜かそうとする行動が増えた。 この現象として最も適切なのはどれか。
A. 情動反応
B. 般化不足
C. 誘発反応
D. スケジュール・シンニングの失敗
正解:B
解説: 場面が変わると行動が出なくなるのは 般化不足。 怒りっぽさは情動反応に見えるが、根本は「スキルが般化していない」こと。
【問題5】
「片付け」を教えるために、片付けをしないときの強化を撤去したところ、子どもは泣きながら床に座り込み、しばらく動けなくなった。 支援者がまず行うべき評価として最も適切なのはどれか。
A. 泣き行動を無視し続けるべきか判断する
B. 泣きの頻度・強度・持続時間を記録する
C. 強化スケジュールを元に戻す
D. 弱化手続きを追加する
正解:B
解説: 情動反応が強い場合、まず 頻度・強度・持続時間を評価し、手続きが適切か判断する 必要がある。
【問題6】
消去手続きを導入したところ、子どもは強い情動反応を示し、泣きながら「どうしたらいいかわからない」と訴えた。 このとき最も適切な支援はどれか。
A. 消去を中止し、強化を戻す
B. 泣き行動を無視し続ける
C. コーピングスキル(深呼吸・休憩・気持ちの言語化)を教える
D. 強化スケジュールをさらに薄くする
正解:C
解説: 情動反応が強い場合、感情の扱い方(コーピングスキル)を教えることが不可欠。






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