模倣訓練(Imitation)
- ABAスクールTogether

- 2月11日
- 読了時間: 5分
更新日:2月13日
子どもが新しい行動を身につけるとき、 “見て真似する力(模倣)” はとても大きな役割を果たします。
実は、模倣は自然に身につくとは限らず、 ABAでは 模倣訓練 によって、 この力を体系的に育てていきます。
今日は、模倣の基本から、模倣訓練のステップ、 そしてよくあるつまずきまで、わかりやすく紹介します。
1.モデル(Model)とは?
モデル(Model)とは、 子どもが「真似しよう」と思うきっかけになる刺激(行動の見本) のこと。
先生がジャンプして見せる
友達が手を振る
動画で「こんにちは」と言う人を見る
これらはすべて“モデル”です。
✔ モデルには2種類ある
計画されたモデル(Planned) → 教えるために意図的に見せる行動 例:スペイン語の授業で先生の発音を真似する
計画されていないモデル(Unplanned) → 日常の中で自然に目に入る行動 例:知らない街で、他の人が歩く方向を真似してバス停を探す
✔ モデルは“似ている人”のほうが効果的
年齢・性別・文化など、 子どもと共通点があるモデルのほうが模倣が起きやすいと言われています。
2. 模倣(Imitation)とは?
模倣とは、 モデルと同じ、またはほぼ同じ行動をすぐに再現すること。
✔ 模倣と呼ぶための条件
形式的類似性(Formal Similarity) → 見本と行動が同じ“感覚モード”(視覚・聴覚など)で、形も似ている
即時性(Immediacy) → モデルを見た“すぐ後”に行動が出る
統制関係(Controlled Relation) → その行動が出た理由が「モデルを見たから」であること
3. 3種類の模倣
① 運動模倣(Motor Imitation)
大きな動き(ジャンプ、手を叩く)
細かい動き(指先の動き)
口の動き(口を開ける、舌を出す)
② 物の使い方の模倣(Object Imitation)
コップを持つ
ブロックを積む
鉛筆を持つ
③ 音声模倣(Vocal Imitation/Echoic)
「あ」「ま」などの音を真似る
単語を真似る
4. 模倣訓練のステップ
模倣は自然に育つとは限らないため、 ABAでは次のような手順で体系的に教えます。
✔ 模倣訓練のステップ
前提スキルの確認 → 注目できるか?座っていられるか?
モデル(見本)を選ぶ → 発達段階に合った行動を選ぶ
事前テスト → すでに真似できる行動があるか確認
模倣訓練の実施
「見てね」「こうするよ」と合図
モデルを提示
必要なら身体的プロンプト
正しくできたら強化
習得済みスキルと混ぜて提示
✔ 重要ポイント
本当の模倣は、言語指示(“真似して”)ではなく、非言語刺激で起こること。
5. よくあるつまずきと対処法
① 進まない・反応がない
→ 行動が難しすぎる可能性 → 前提スキルが不足している可能性
② スクロール(適当に当てずっぽうで反応する)
→ 誤反応をすぐにブロック → 身体的プロンプトを増やす
③ モデルを無視してしまう
→ 注意を向けるスキルを先に教える
6. 目指すゴールは「般化された模倣」
最終的に目指すのは、 教えていない新しい行動も、見ただけで真似できる状態(般化された模倣)。
これは、
学校生活
社会的スキル
言語発達
日常生活の自立
すべてに大きく影響する、とても重要な力です。
まとめ:模倣は“学びのエンジン”
模倣が育つと、 子どもは周りの世界から自然に学べるようになります。
モデルを見せる
すぐに真似できるように支援する
たくさん練習の機会をつくる
そして強化する
この積み重ねが、 子どもの「学ぶ力」を大きく広げていきます。
【問題1】
支援者が「こうするよ」と言って積み木を3つ積む動作を見せた。子どもは同じ積み方をしたが、積む順番が少し違っていた。この反応はどれに該当するか。
A. 物の使い方の模倣(Object Imitation)
B. 形式的類似性がないため模倣ではない
C. スクロール
D. 計画されていない模倣
答え:A
解説: 積み木の使い方という 物の使い方の模倣 に該当。順番の違いは許容範囲で、トポグラフィーは十分類似している。
【問題2】
支援者が「こうしてね」と言って舌を左右に動かす動作を見せた。子どもはすぐに同じ動きをした。この模倣の種類として最も適切なのはどれか。
A. 運動模倣(Motor Imitation)
B. 音声模倣(Vocal Imitation)
C. 物の使い方の模倣(Object Imitation)
D. 一般化された模倣
答え:A
解説: 舌や口の動きは 運動模倣 に分類される。
【問題3】 支援者が「こうしてね」と言って、紙コップを逆さにして机にトントンと置く動作を見せた。子どもは紙コップを持ち上げたが、逆さにせずに机に置いた。このとき最も考えられる問題はどれか。
A. 形式的類似性の欠如
B. 即時性の欠如
C. モデルが不適切
D. スクロール
答え:A
解説: 行動の形が大きく異なるため、形式的類似性が不足している。
【問題4】
支援者が「こうしてね」と言って、手を2回叩く動作を見せた。子どもは1回だけ叩いた。このとき支援者がまず確認すべきことはどれか。
A. モデルが子どもと似ているか
B. 子どもが動作を聞き取れたか
C. 前提スキル(注意・座位保持)が整っているか
D. 強化子の質が低いかどうか
答え:C
解説: 模倣訓練では 注意を向けるスキル が前提。まずそこを確認する必要がある。
【問題5】
支援者が「こうしてね」と言って、手をひらひらさせる動作を見せた。子どもはすぐに同じ動作をしたが、次の試行では支援者が別の動作を見せても、子どもは前の“手をひらひら”を繰り返した。このとき最も考えられる問題はどれか。
A. 一般化された模倣
B. スクロール
C. モデルの不明瞭さ
D. 刺激性制御の誤り(Faulty Stimulus Control)
答え:D
解説: モデルに関係なく同じ行動を出してしまう → 刺激性制御が誤っている。
【問題6】
支援者が「こうしてね」と言って、ブロックを2つ積む動作を見せた。子どもは初めて見る動作だったが、すぐに同じように積むことができた。この現象として最も適切なのはどれか。
A. 計画された模倣
B. 一般化された模倣
C. 物の使用の模倣
D. モデリングの失敗
答え:B
解説: 教えていない新しい行動を見ただけで模倣できる → 般化された模倣。
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