マッチングの法則(Matching Law)と行動コントラスト( Behavior Contrast)
- ABAスクールTogether

- 2月8日
- 読了時間: 6分
更新日:2月13日
ABA では、行動は「どれだけ強化されるか」によって変化します。
しかし、子どもや学習者が選べる行動はひとつではありません。 複数の選択肢があるとき、行動はどのように分配されるのでしょうか。
その答えを説明するのが マッチングの法則(Matching Law)。 そして、強化条件が変わったときに行動が“別の場所で増える”現象が 行動コントラスト(Behavior Contrast) です。
この記事では、この2つを日常例とともにわかりやすく解説します。
1. マッチングの法則(Matching Law)とは?
複数の選択肢があるとき、行動はそれぞれの強化率に比例して分配される という法則です。
つまり、 「より多く強化される選択肢に、より多くの行動が向かう」 ということ。
● 日常でのわかりやすい例
例1:子どもがどの先生に話しかけるか
A先生:笑顔でよく反応してくれる(強化率が高い)
B先生:忙しくて反応が少ない(強化率が低い)
→ 子どもは A先生に話しかける頻度が高くなる → 行動が“強化の多い方”にマッチしている
例2:SNS の使い分け
Instagram:いいねがたくさんつく
X(旧Twitter):反応が少ない
→ Instagram を開く頻度が高くなる
例3:課題 vs. おしゃべり
課題:強化が少ない
友だちとのおしゃべり:笑い・共感など強化が多い
→ おしゃべりに行動が流れやすい
● 支援での活用ポイント
課題行動を増やしたい → 課題の強化率を上げる
望ましくない行動が強化されている → その強化を減らす
選択肢が複数あるとき → 強化のバランスを調整する
マッチングの法則を理解すると、 「なぜその行動を選ぶのか」がとても読みやすくなります。
2. 行動コントラスト(Behavior Contrast)とは?
ある環境で強化が減ると、別の環境で同じ行動が増える現象 を指します。
強化の“差”が生まれることで、行動が別の場所で強く出るようになるのです。
● 日常のわかりやすい例
例1:学校と家庭での行動
学校:注意が多く、強化が少ない
家庭:優しく反応してもらえる
→ 家庭で甘え行動が増える → これが行動コントラスト
例2:教室内の2つの活動
活動A:強化が減った
活動B:強化が変わらない
→ 活動Bでの行動が増える
例3:ダイエット中の“週末の食べすぎ”
平日:食事制限(強化が少ない)
週末:自由(強化が多い)
→ 週末に食べすぎる
● 行動コントラストが起きやすい場面
一方の環境だけで消去を行ったとき
強化のバランスが急に変わったとき
別の環境では強化が維持されているとき
● 支援での活用ポイント
一つの環境だけで対応すると、別の環境で行動が悪化することがある
家庭・学校・療育など、複数の環境で一貫した対応をする
強化の差が大きくならないように調整する
チーム連携がとても重要
行動コントラストを理解しておくと、 「家ではできるのに学校ではできない」 「学校では落ち着いているのに家で爆発する」 といった現象の理由が見えてきます。
まとめ
マッチングの法則と行動コントラストは、 強化の“量”と“バランス”が行動にどう影響するか を理解するための重要な概念です。
マッチングの法則 → 行動は強化率に比例して分配される
行動コントラスト → ある環境で強化が減ると、別の環境で行動が増える
この2つを理解すると、 行動の背景がよりクリアに見え、支援の方向性も立てやすくなります。
【問題1】
Aくんは、A先生に話しかけると必ず笑顔で返事をしてくれるが、B先生は忙しくて反応が少ない。 その結果、AくんはA先生に話しかける頻度が高くなった。 この現象を最も正しく説明する概念はどれか。
A. 行動コントラスト
B. マッチングの法則
C. 反応般化
D. 自発的回復
答え:B
解説: 強化率の高い選択肢に行動が多く向かう → マッチングの法則。
【問題2】
課題中、友だちとのおしゃべりは笑いが多く強化率が高い。一方、課題は強化が少ない。 その結果、子どもはおしゃべりに行動が流れやすくなった。 この現象を最も正しく説明する概念はどれか。
A. 行動コントラスト
B. マッチングの法則
C. 連鎖行動
D. 負の強化
答え:B
解説: 強化の多い選択肢に行動が偏る → マッチングの法則。
【問題3】
学校では注意が多く強化が少ないため、子どもは甘え行動をあまり見せない。 しかし家庭では優しく反応してもらえるため、甘え行動が増えた。 この現象を最も正しく説明する概念はどれか。
A. マッチングの法則
B. 行動コントラスト
C. 反応分化
D. 自発的回復
答え:B
解説: 一方の環境で強化が減ると、別の環境で行動が増える → 行動コントラスト。
【問題4】
教室内で「活動A」の強化を減らしたところ、「活動B」での行動が増えた。 この現象として最も適切なのはどれか。
A. マッチングの法則
B. 行動コントラスト
C. 反応般化
D. 反応分化
答え:B
解説: 一方の強化が減ると、別の場所で行動が増える → 行動コントラスト。
【問題5】
SNSで、Instagramは「いいね」が多く、X(旧Twitter)は反応が少ない。 その結果、Instagramを開く頻度が高くなった。 この行動の分配を説明する概念として最も適切なのはどれか。
A. 行動コントラスト
B. マッチングの法則
C. 自発的回復
D. 反応般化
答え:B
解説: 強化率の高い選択肢に行動が向かう → マッチングの法則。
【問題6】
平日は食事制限で強化が少ないが、週末は自由に食べられるため、週末に食べすぎてしまう。 この現象として最も適切なのはどれか。
A. マッチングの法則
B. 行動コントラスト
C. 反応分化
D. 連鎖行動
答え:B
解説: 一方の環境(平日)で強化が減る → 別の環境(週末)で行動が増える。
【問題7】
課題行動を増やしたい支援者が、課題の強化率を上げたところ、子どもは課題に向かう頻度が増えた。 この支援効果を最も正しく説明する概念はどれか。
A. 行動コントラスト
B. マッチングの法則
C. 反応般化
D. 自発的回復
答え:B
解説: 強化率を上げると、その選択肢に行動が向かう → マッチングの法則。
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