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内的妥当性を脅かす要因

  • 執筆者の写真: ABAスクールTogether
    ABAスクールTogether
  • 2月9日
  • 読了時間: 5分

更新日:2月13日

ABA(応用行動分析)では、介入が本当に効果をもたらしたのかを判断するために、 「内的妥当性(Internal Validity)」 がとても重要になります。


しかし、現場ではさまざまな理由で内的妥当性が揺らいでしまうことがあります。


この記事では、研究や支援の質を下げてしまう 7つの代表的な脅威 を、わかりやすく紹介します。



1. Observer Drift(観察者のドリフト)

観察者が、気づかないうちに測定の基準を変えてしまうこと


● 例

最初は厳密にカウントしていたのに、時間が経つにつれて判断がゆるくなる。


● なぜ問題?

データの一貫性が失われ、介入の効果を正しく判断できなくなる。



2. Reactivity(反応性)

クライアントが、観察されていることを意識して行動を変えてしまうこと


● 例

観察者が近くにいるときだけ良い行動をする。


● なぜ問題?

本来の行動ではなく、「見られているときの行動」が記録されてしまう。




3. Observer Bias / Expectations(観察者バイアス・期待)

観察者の「こうなるはず」という期待が、 データの記録そのものに影響してしまうこと


● 例

介入がうまくいってほしい気持ちが、無意識にデータを甘くする。


● なぜ問題?

データが主観に左右され、正確性が失われる。



4. Attrition(脱落)

研究や支援の途中で、参加者が離脱してしまうこと


● 例

長期のプログラムで、途中からクライアントが来なくなる。


● なぜ問題?

データが不完全になり、介入の効果を判断しにくくなる。




5. Testing / Practice Effects(テスト効果・練習効果)

同じ課題を繰り返すことで、 介入とは関係なく行動が上達してしまうこと


● 例

同じテストを何度も受けるうちに自然と点数が上がる。


● なぜ問題?

「介入の効果」なのか「慣れただけ」なのか区別できなくなる。




6. Maturation(成熟)

時間の経過による、クライアント自身の自然な発達や変化


● 例

2歳のときのデータと、6歳の今のデータを比較しても、 言語の発達は介入ではなく自然な成長による可能性がある。


● なぜ問題?

成長による変化と介入による変化が混ざってしまう。




7. Adaptation(順応)

同じ刺激を繰り返し提示されることで、 反応が減少してしまうこと


● 例

最初は強く反応していた刺激に、慣れて反応しなくなる。


● なぜ問題?

介入の効果ではなく「慣れ」による変化が起きてしまう。




内的妥当性を脅かす要因を理解することが、質の高い分析につながる


内的妥当性を脅かす要因は、実際の現場でも起こりやすいものばかりです。 しかし、これらを理解しておくこと対策を考えることができ、またデータの解釈の際に考慮することができます。


  • 内的妥当性を脅かす脅威をなるべく排除すること

  • 完全に排除が難しいのであれば、それを考慮してデータの解釈を行うこと


これらを意識してデータと向き合ってみてください。



【問題1】

スタッフAは、最初の数日は「手を挙げた回数」を厳密にカウントしていたが、数週間後には「なんとなく手を挙げたように見えた」場合もカウントするようになっていた。この状況で最も起きている可能性が高い脅威はどれか。


A. Reactivity(反応性)

B. Observer Drift(観察者のドリフト)

C. Maturation(成熟)

D. Adaptation(順応)


答え:B  

解説: 観察者が時間とともに基準を変えてしまう → ドリフト。



【問題2】

子どもが、観察者が近くにいるときだけ宿題に集中し、観察者が離れるとすぐに遊び始めてしまう。この場合、内的妥当性を脅かしている要因として最も適切なのはどれか。


A. Testing / Practice Effects(テスト効果)

B. Observer Bias(観察者バイアス)

C. Reactivity(反応性)

D. Attrition(脱落)


答え:C  

解説: 観察されていることを意識して行動が変わる → 反応性。



【問題3】

支援者が「この介入は絶対に効果があるはずだ」と強く信じており、曖昧な行動も“改善した”と記録してしまっていた。この状況で最も起きている脅威はどれか。


A. Observer Bias / Expectations(観察者バイアス)

B. Maturation(成熟)

C. Adaptation(順応)

D. Testing Effects(テスト効果)


答え:A  

解説: 期待がデータ記録に影響する → 観察者バイアス。



【問題4】

長期のソーシャルスキルトレーニングに参加していた子どもが、途中で通所をやめてしまい、データが最初と途中までしか残らなかった。この場合に最も関係する脅威はどれか。


A. Attrition(脱落)

B. Maturation(成熟)

C. Reactivity(反応性)

D. Observer Drift(ドリフト)


答え:A  

解説: 参加者が途中で離脱する → 脱落。



【問題5】

同じ課題を毎週繰り返し行っていたところ、介入を変えていないのに成績が徐々に上がっていった。これはどの脅威が起きている可能性が高いか。


A. Testing / Practice Effects(テスト効果・練習効果)

B. Adaptation(順応)

C. Observer Bias(観察者バイアス)

D. Maturation(成熟)


答え:A  

解説: 繰り返しにより慣れて成績が上がる → テスト効果。



【問題6】

2歳のときに言語がほとんど出ていなかった子どもが、介入を行わずに4歳になったら自然に語彙が増えていた。この変化を「介入の効果」と誤って判断してしまうとき、最も関係する脅威はどれか。


A. Maturation(成熟)

B. Adaptation(順応)

C. Observer Drift(ドリフト)

D. Reactivity(反応性)


答え:A  

解説: 時間経過による自然な発達 → 成熟。



【問題7】

同じ音刺激を繰り返し提示していたところ、最初は強く反応していたのに、数回後にはほとんど反応しなくなった。この変化を「介入の効果」と誤解すると、どの脅威に該当するか。


A. Testing Effects(テスト効果)

B. Adaptation(順応)

C. Observer Bias(観察者バイアス)

D. Attrition(脱落)


答え:B  

解説: 刺激に慣れて反応が減る → 順応。


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