刺激弁別(stimulus discrimination)
- ABAスクールTogether

- 2月8日
- 読了時間: 5分
更新日:2月13日
ABA では、行動がどんな刺激のもとで起こりやすいかを扱いますが、その中でも重要なのが 刺激弁別(stimulus discrimination) です。
刺激性制御の記事でも触れたように、行動は特定の刺激のもとで起こりやすくなります。 刺激弁別は、その中でも 「似ている刺激の違いを見分けて、適切に反応できるようになること」 を指します。
刺激弁別(stimulus discrimination)とは?
刺激弁別とは、似ている刺激の違いを区別し、それぞれに適切な反応をすることです。 行動そのものは同じでも、どの刺激に対して行うかを学び分けます。
例
「パパ」を見ると「パパ」と言う
他の男性を見ても「パパ」とは言わない → 刺激弁別が成立している状態
例
家ではハグが強化される
モールではハグが強化されない(消去) → 場所の違いで行動が変わる
刺激の種類とその役割
ABA では、刺激の役割によっていくつかの名称があります。 ここではブログ読者にもわかりやすいよう、シンプルに整理します。
● SD(強化の弁別刺激)
その行動をすると強化されるよ、という合図になる刺激。
例: 「Push」と書かれたドア → 押すと開く(強化される)
● SΔ(強化が起こらない弁別刺激)
その行動をしても強化されないよ、という刺激。
例: 間違った鍵 → いくら回しても開かない(強化されない)
● SDP(弱化の弁別刺激)
その行動をすると弱化が起こる可能性が高い刺激。
例: パトカーを見る → スピードを出す行動が抑制される
● SAP(弱化が起こらない弁別刺激)
弱化が起こらない状況なので、行動が出やすくなる刺激。
例: 誰もいない道路 → 信号無視をしやすくなる
日常でよく見る刺激弁別の例
● 信号機
赤 → 止まる
緑 → 進む 同じ「運転」という行動でも、刺激によって反応が変わります。
● 職場でのフィードバック
優しいトーン → 落ち着いて受け止められる
厳しいトーン → 防衛的な反応が出る 刺激(声のトーン)が行動(反応)を変える典型例です。
刺激弁別と反応分化の違い
用語 | 何が違う? | 例 |
刺激弁別 | 刺激が違う(S1 と S2) 行動は同じ | パパには「パパ」と言うが、他の男性には言わない |
反応分化 | 行動が違う(B1 と B2) 刺激は同じ | 叩く行動は消去、手を挙げる行動は強化 |
刺激弁別と刺激般化の違い
刺激弁別 | 刺激般化 |
刺激の違いを区別する | 刺激の違いを広くまとめて反応する |
例:自分の母だけを「ママ」と呼ぶ | 例:女性全員を「女性」と呼ぶ |
まとめ
刺激弁別は、 「どの刺激のときに、どの行動をするか」を学ぶプロセスです。
SD → 行動が起こりやすい
SΔ → 行動が起こりにくい
SDP → 行動が抑制される
SAP → 行動が出やすくなる
この仕組みを理解すると、子どもの行動の背景がぐっと読みやすくなり、支援や指導の質が大きく向上します。
【問題1】
Aくんは自宅では父親に対して「パパ」と言うが、似た雰囲気の男性教師には「パパ」と言わない。 この現象として最も適切なのはどれか。
A. 刺激般化
B. 刺激弁別
C. 反応分化
D. 自発的回復
答え:B
解説: 似た刺激の違いを見分けて反応を変えている → 刺激弁別。
【問題2】
「Push」と書かれたドアは押すと開くが、「Pull」と書かれたドアは押しても開かない。 このとき「Push」の文字が果たす役割として最も適切なのはどれか。
A. SΔ
B. SD
C. SDP
D. SAP
答え:B
解説: 行動(押す)が強化される刺激 → SD。
【問題3】
間違った鍵をドアに差して回しても開かないため、子どもはその鍵では回す行動をしなくなった。 このとき間違った鍵が果たす役割として最も適切なのはどれか。
A. SD
B. SΔ
C. SDP
D. SAP
答え:B
解説: 行動が強化されない刺激 → SΔ。
【問題4】
運転中、パトカーを見た瞬間にスピードを落とした。 このときパトカーが果たす刺激として最も適切なのはどれか。
A. SD
B. SΔ
C. SDP
D. SAP
答え:C
解説: 行動(スピードを出す)に弱化が起こる可能性が高い刺激 → SDP。
【問題5】
誰もいない横断歩道で、子どもが信号を無視して走り抜けた。 このとき「誰もいない状況」が果たす刺激として最も適切なのはどれか。
A. SD
B. SΔ
C. SDP
D. SAP
答え:D
解説: 弱化(注意・叱責)が起こらない状況 → SAP。
【問題6】
Aくんは「女性全員」を「おねえさん」と呼んでしまう。 この現象として最も適切なのはどれか。
A. 刺激弁別
B. 刺激般化
C. 反応分化
D. 連鎖行動
答え:B
解説: 刺激の違いを広くまとめて反応している → 刺激般化。
【問題7】
同じ刺激(先生の「手を挙げてね」)に対して、叩く行動は消去され、手を挙げる行動だけが強化された。 この現象として最も適切なのはどれか。
A. 刺激弁別
B. 刺激般化
C. 反応分化
D. 自発的回復
答え:C
解説: 同じ刺激に対して異なる行動が選択される → 反応分化。
【問題8】
家ではハグが強化されるが、ショッピングモールではハグが無視されるため、子どもはモールではハグをしなくなった。 この現象として最も適切なのはどれか。
A. 刺激般化
B. 刺激弁別
C. 反応分化
D. 自発的回復
答え:B
解説: 場所(刺激)の違いで行動が変わる → 刺激弁別。
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