単一事例デザイン(Single-Subject Design)
- ABAスクールTogether

- 19 時間前
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ABA(応用行動分析)では、 一人の行動が介入によってどう変化したか を丁寧に追うために 単一事例デザイン(Single-Subject Design) がよく使われます。
単一事例デザインは、
ベースライン(介入前)
介入(Treatment)
の2つの段階を比較しながら、 介入の効果を科学的に検証する方法 です。
集団平均ではなく、 その子自身の変化 を見られるのが最大の特徴です。
単一事例デザインが大切にしている3つのポイント
単一事例デザインが成立するためには、次の3つが欠かせません。
① グラフによる視覚的分析(Visual Analysis)
データは必ずグラフ化し、
傾向(Trend)
水準(Level)
変動(Variability)
即時効果(Immediacy)
などを視覚的に確認します。
② 安定したデータが集まるまで繰り返し測定(Repeated Measurement)
ベースラインが安定しないと、 介入後の変化が“本物”かどうか判断できません。
③ 交絡変数を排除するデザイン(Control of Confounding Variables)
「介入以外の要因で変化したのでは?」 という疑いを排除するため、 デザインそのものに工夫が必要です。
単一事例デザインの4つの主要タイプ
画像にあった4つのデザインを、現場で使えるレベルでわかりやすく解説します。
① 交替処遇デザイン(Alternating Treatment Design)
複数の介入を“交互に”試して効果を比較する
例:
A:視覚支援
B:口頭指示
A・B を交互に実施し、どちらが効果的か比較する
■ 向いている場面
どの介入が一番効果的か知りたい
すぐに比較したい
② 基準変更デザイン(Changing Criterion Design)
少しずつ基準を上げながら行動の変化を見る
例:
宿題の時間:5分 → 10分 → 15分
できたら次の基準へ進む
■ 向いている場面
行動を段階的に伸ばしたい
いきなり高い目標は難しい子
③ 複数ベースラインデザイン(Multiple Baseline Design)
複数の行動・場面・人物で“ずらして”介入を入れる
例:
行動A(授業中の着席)
行動B(宿題の提出)
行動C(片づけ)
それぞれベースライン期間をずらし、 介入を入れたタイミングで変化が起きるかを見る。
■ 向いている場面
逆戻り(リバーサル)が難しい行動
危険行動がある場合
複数の行動を同時に見たい
④ リバーサルデザイン(Reversal Design / A-B-A-B)
介入を入れる → 外す → 再び入れる で効果を確認
例:
A:ベースライン
B:介入
A:介入を外す
B:再び介入
介入の有無で行動が変わるかを確認する。
■ 向いている場面
行動が安全で、戻しても問題ない場合
介入の効果を強く証明したい場合
単一事例デザインが現場で役立つ理由
● 一人ひとりの変化を丁寧に追える
集団平均では見えない“その子の成長”が見える。
● 介入の効果を科学的に判断できる
「なんとなく良くなった」ではなく、 データで明確に示せる。
● チームで共有しやすい
グラフがあると、保護者・教師・支援者が同じ理解を持てる。
● 個別支援計画(BIP)の改善に役立つ
効果が弱ければすぐに調整できる。
まとめ:単一事例デザインは“その子の変化を見逃さない”研究方法
単一事例デザインは、 ABA の実践や研究で非常に重要な方法です。
ベースライン
介入
視覚的分析
反復測定
交絡変数の排除
これらを丁寧に行うことで、 「この介入は本当に効果がある」 と自信を持って言えるようになります。
■問1
単一事例デザインの最大の特徴として最も適切なのはどれですか?
A:集団平均を使って効果を判断する
B:一人の行動の変化を詳細に追い、介入効果を検証できる
C:統計分析が必須である
D:介入前のデータは必要ない
正解:B
解説:単一事例デザインは「その子自身の変化」を丁寧に追う方法です。
■問2
視覚的分析(Visual Analysis)で確認する項目として適切でないものはどれですか?
A:傾向(Trend)
B:水準(Level)
C:変動(Variability)
D:IQ の高さ
正解:D
解説:視覚的分析はデータのパターンを見るためのもので、IQ など個人特性は含みません。
■問3
交替処遇デザイン(Alternating Treatment Design)の特徴として最も適切なのはどれですか?
A:介入を段階的に強めていく
B:複数の介入を交互に提示して効果を比較する
C:ベースラインを長期間取り続ける
D:介入を一度だけ実施する
正解:B
解説:交替処遇デザインは「どの介入が最も効果的か」を比較するために使われます。
■問4
複数ベースラインデザイン(Multiple Baseline Design)が向いている場面として最も適切なのはどれですか?
A:行動を元に戻すことが危険な場合
B:介入を短期間で終わらせたい場合
C:複数の介入を比較したい場合
D:基準を少しずつ上げたい場合
正解:A
解説:複数ベースラインは「リバーサルが難しい行動」や「危険行動」に適しています。
■問5
リバーサルデザイン(A-B-A-B)の目的として最も適切なのはどれですか?
A:介入を一度だけ行い、結果を確認する
B:介入を入れたり外したりして、行動が変化するかを確認する
C:複数の行動を同時に測定する
D:基準を段階的に上げる
正解:B
解説:A-B-A-B は「介入の有無で行動が変わるか」を強く証明できるデザインです。
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