測定 IOA(観察者間一致率)
- ABAスクールTogether

- 2月8日
- 読了時間: 5分
更新日:2月13日
ABA では、行動を測定し、そのデータをもとに支援の効果を判断します。 しかし、もし観察者によってデータがバラバラだったら、正しい判断はできません。
そこで重要になるのが IOA(Interobserver Agreement:観察者間一致率) です。
IOA(観察者間一致率)とは?
複数の観察者が同じ行動を見たとき、どれだけ同じデータを記録できたかを示す指標。
IOA が高いほど、
行動の定義が明確
測定方法が安定
データの信頼性が高い
ということがわかります。
なぜ IOA が必要なの?
● 1. データの信頼性を保証するため
観察者が変わっても同じデータが取れる=信頼できるデータ。
● 2. 行動の定義が適切か確認できる
IOA が低いときは、定義が曖昧な可能性が高い。
● 3. 介入の効果を正しく判断できる
データが安定していないと、支援の効果を誤って判断してしまう。
IOA の種類
1. 回数(Repeatability)を扱う IOA
● ① Total Count IOA
全体の回数がどれだけ一致しているか。
もっともシンプル
ただし、細かいズレは見逃しやすい
使いどころ: ざっくり一致を確認したいとき
● ② Mean Count Per Interval IOA
区間ごとに一致率を出し、平均を取る方法。
Total Count より精度が高い
行動の偏りがあるときに有効
使いどころ: 行動が時間帯によって変動する場合
● ③ Exact Count Per Interval IOA
区間ごとに“完全一致”した割合を出す方法。
最も厳密
一致していないとすぐに低くなる
使いどころ: 正確性が特に重要な研究・評価場面
● ④ Trial-by-Trial IOA
行動の有無(0/1)で一致を確認する方法。
DTT(離散試行訓練)でよく使う
回数ではなく「起きた/起きない」を見る
使いどころ: 試行ごとの正誤データを扱うとき
2. 持続時間(Duration)を扱う IOA
● ① Total Duration IOA
全体の持続時間がどれだけ一致しているか。
使いどころ: かんしゃく・課題時間など、長さが重要な行動
● ② Mean Duration per Occurrence IOA
行動ごとに持続時間を比較し、平均を取る方法。
使いどころ: 行動が複数回起きる場合により正確
3. 間欠測定(Time Sampling)の IOA
● ① Interval-by-Interval IOA
各区間で一致した割合。
行動の有無を区間ごとに比較
行動が多いと一致率が高く見えやすい
● ② Scored Interval IOA
行動が“あった”区間に注目して一致率を出す。
使いどころ: 行動が少ない(低頻度)場合に有効
● ③ Unscored Interval IOA
行動が“なかった”区間に注目して一致率を出す。
使いどころ: 行動が多い(高頻度)場合に有効
IOA を高めるためのポイント
● 1. 行動の操作的定義を明確にする
例・非例、開始・終了をはっきり書く。
● 2. 観察者同士で練習する
同じ動画を見て記録し、ズレを確認する。
● 3. 測定方法を統一する
区間の長さ、記録方法、観察位置などを揃える。
● 4. 定期的に IOA を取る
支援の質を維持するために欠かせない。
まとめ
IOA(観察者間一致率)は、 データの信頼性を保証するための重要なチェックポイント です。
質の高い支援には欠かせません。
【問題1】
2人の観察者が同じ10分間の行動を記録したところ、Aは「20回」、Bは「22回」と記録した。 このとき最も適切に算出できる IOA の種類はどれか。
A. Exact Count Per Interval IOA
B. Total Count IOA
C. Trial-by-Trial IOA
D. Scored Interval IOA
答え:B
解説: 全体の回数だけを比較する → Total Count IOA。
【問題2】
行動が時間帯によって大きく変動するため、区間ごとに一致率を出し、その平均を取りたい。 この目的に最も適した IOA はどれか。
A. Mean Count Per Interval IOA
B. Total Duration IOA
C. Interval-by-Interval IOA
D. Unscored Interval IOA
答え:A
解説: 区間ごとの一致率の平均 → Mean Count Per Interval IOA。
【問題3】
DTT(離散試行訓練)で、各試行が「正しい(1)/誤り(0)」で記録されている。 このデータに最も適した IOA はどれか。
A. Trial-by-Trial IOA
B. Exact Count Per Interval IOA
C. Total Count IOA
D. Mean Duration per Occurrence IOA
答え:A
解説: 試行ごとの正誤データ → Trial-by-Trial IOA。
【問題4】
2人の観察者が「癇癪の持続時間」を記録したところ、Aは「120秒」、Bは「110秒」だった。 このとき最も適切な IOA はどれか。
A. Total Duration IOA
B. Mean Duration per Occurrence IOA
C. Scored Interval IOA
D. Exact Count Per Interval IOA
答え:A
解説: 全体の持続時間を比較 → Total Duration IOA。
【問題5】
行動が非常に低頻度で、ほとんどの区間が「行動なし」だった。 この場合、最も信頼性の高い IOA はどれか。
A. Interval-by-Interval IOA
B. Scored Interval IOA
C. Unscored Interval IOA
D. Total Count IOA
答え:B
解説: 行動が少ないときは「行動があった区間」に注目する Scored Interval IOA が適切。
【問題6】
行動が高頻度で、ほとんどの区間に行動が記録されていた。 この場合、最も適切な IOA はどれか。
A. Scored Interval IOA
B. Unscored Interval IOA
C. Interval-by-Interval IOA
D. Mean Count Per Interval IOA
答え:B
解説: 行動が多いときは「行動がなかった区間」に注目する Unscored Interval IOA が適切。
【問題7】
研究者が「最も厳密な IOA を取りたい」と考え、区間ごとに“完全一致”したかどうかだけを評価した。 このとき使用している IOA はどれか。
A. Exact Count Per Interval IOA
B. Total Count IOA
C. Trial-by-Trial IOA
D. Mean Duration per Occurrence IOA
答え:A
解説: 完全一致のみを評価 → Exact Count Per Interval IOA。
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