測定 グラフ
- ABAスクールTogether

- 2月9日
- 読了時間: 5分
更新日:2月13日
行動分析では、データを「集める」だけでなく、「伝える・分析する」こともとても大切です。
そのときに役立つのが グラフ。
視覚的に変化がわかるので、保護者や支援者、チームメンバーと共通理解をつくる強力なツールになります。
この記事では、ABAでよく使われる5つのグラフを、できるだけやさしく・実践的に紹介します。
✦ 1. ライングラフ(Equal-Interval Line Graph)
どんなグラフ?
もっとも一般的に使われるグラフで、 行動が時間とともにどう変化したか を示すのに最適です。
わかること
レベル(高い/低い)
トレンド(上昇/下降)
ばらつき(安定/不安定)
介入の効果(フェーズ変更で比較できる)
どんな場面で使う?
課題の正答率の変化
問題行動の頻度の推移
介入前後の比較
「行動の変化を一番わかりやすく伝えたい」 そんなときは、まずライングラフを選べば間違いありません。
✦ 2. バーグラフ(Bar Graph)
どんなグラフ?
棒の高さで値を比較するグラフ。 時間の流れは扱わず、項目同士の比較 に向いています。
わかること
どの項目が多い/少ないか
好みや選択の傾向
どんな場面で使う?
好子評価(どのおもちゃをよく選んだか)
複数の生徒の成績比較
介入条件ごとの平均値比較
「どれが一番?」「どれが少ない?」を一目で伝えたいときに便利です。
✦ 3. キュミュレイティブ記録(Cumulative Record)
どんなグラフ?
スキナーが開発した、累積の合計値を積み上げていくグラフ。 線が下がることはなく、増えるか、横ばいかのどちらかです。
わかること
行動がどれだけ積み上がっているか
学習のペース(傾きが急=速い)
行動が止まったタイミング(横ばい)
どんな場面で使う?
習得語彙数の累積
マンド(要求)の累積
貯金やポイントの累積
「どれだけ成長してきたか」を励ましとして伝えるのにとても向いています。
✦ 4. セラレーションチャート(Standard Celeration Chart)
どんなグラフ?
Precision Teachingで使われる、比率スケールの特殊なグラフ。 行動の“増加スピード(celeration)”を分析できます。
特徴
1分間あたりの頻度など、幅広いレートを扱える
変化の倍率(×2、÷2など)が読み取りやすい
日・週・月・年の4種類のチャートがある
どんな場面で使う?
読みの流暢性
書字のスピード
計算の流暢性
自己モニタリング
「どれくらい速く上達しているか」を精密に見たいときに最適です。
✦ 5. スキャタープロット(Scatterplot / Pattern Analysis)
どんなグラフ?
行動が“いつ”起きやすいか を視覚化するグラフ。 時間帯 × 日付 のマトリクスに点を打っていきます。
わかること
行動が起きやすい時間帯
曜日や状況によるパターン
きっかけの仮説づくり
どんな場面で使う?
自傷や他害などの問題行動の時間帯分析
特定の授業・活動での行動の偏り
生活リズムの把握
「行動のパターンをざっくりつかみたい」 そんなときにとても役立ちます。
✦ まとめ:目的に合わせてグラフを選ぶ
グラフ | 得意なこと | 主な用途 |
ライングラフ | 行動の変化を時系列で見る | 介入効果、推移の確認 |
バーグラフ | 項目の比較 | 好子評価、平均値比較 |
キュミュレイティブ記録 | 行動の累積を見る | 習得数、成長の可視化 |
セラレーションチャート | 行動の増加スピードを分析 | 流暢性、学習速度 |
スキャタープロット | 行動の出やすい時間帯を把握 | 問題行動のパターン分析 |
【問題1】
ある子どもの「課題の正答率」が 40% → 55% → 70% → 85% とセッションごとに変化していた。 このデータを最も適切に示せるグラフはどれか。
A. バーグラフ
B. スキャタープロット
C. ライングラフ
D. セラレーションチャート
答え:C
解説: 時系列での変化を示す → ライングラフが最適。
【問題2】
好子評価で「車のおもちゃ:10回」「シャボン玉:6回」「ブロック:3回」と選択回数を比較したい。 この目的に最も適したグラフはどれか。
A. キュミュレイティブ記録
B. バーグラフ
C. ライングラフ
D. スキャタープロット
答え:B
解説: 項目同士の比較 → バーグラフ。
【問題3】
語彙の習得数が「5語 → 8語 → 12語 → 12語 → 15語」と累積で増えていく様子を示したい。 線が下がらず、累積の増加を表すグラフとして最も適切なのはどれか。
A. キュミュレイティブ記録
B. ライングラフ
C. セラレーションチャート
D. バーグラフ
答え:A
解説: 累積値を積み上げる → キュミュレイティブ記録。
【問題4】
読みの流暢性(1分間あたりの正答数)が「10 → 20 → 40 → 80」と倍々で増えている。 この“増加スピード(celeration)”を最も精密に分析できるグラフはどれか。
A. スキャタープロット
B. ライングラフ
C. セラレーションチャート
D. キュミュレイティブ記録
答え:C
解説: 倍率の変化を扱える比率スケール → セラレーションチャート。
【問題5】
自傷行動が「月曜の10時台」「火曜の13時台」「金曜の9時台」に集中していた。 この“時間帯 × 曜日”のパターンを最も適切に示せるグラフはどれか。
A. バーグラフ
B. スキャタープロット
C. ライングラフ
D. セラレーションチャート
答え:B
解説: 行動が“いつ”起きやすいかを可視化 → スキャタープロット。
【問題6】
計算の流暢性を測るため、1分間あたりの正答数を毎日記録したところ、 「12 → 15 → 30 → 60」と急激に増加していた。 このデータを“学習速度の変化”として最も正確に読み取れるグラフはどれか。
A. ライングラフ
B. バーグラフ
C. セラレーションチャート
D. キュミュレイティブ記録
答え:C
解説: 流暢性・スピードの分析はセラレーションチャートが専門。
【問題7】
ある子どもの問題行動が、特定の授業(体育・音楽・算数)で多く見られた。 この“授業ごとの頻度比較”を最も適切に示せるグラフはどれか。
A. バーグラフ
B. スキャタープロット
C. キュミュレイティブ記録
D. ライングラフ
答え:A
解説: 項目ごとの比較 → バーグラフ。
✨ABAスクールTogetherでは、初学者から経験者まで、体系的にABAを学べます✨
▶︎ABA初学者で支援員・教師・保護者など児童に直接接する方
▶︎ABA初学者で行政や事業所で保護者面談・保護者支援を担当される方
▶︎ABA経験者でスーパーバイザー国際資格を目指したい方
皆様のご受講お待ちしております。







コメント