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行動の操作的定義(Operational Definition)

  • 執筆者の写真: ABAスクールTogether
    ABAスクールTogether
  • 2月8日
  • 読了時間: 5分

更新日:2月13日

ABA では、行動を支援したりデータを取ったりするときに、 「その行動をどう定義するか」 がとても重要になります。


なぜなら、


  • 大人によって見方が違う

  • あいまいな表現だとデータがバラバラになる

  • 支援の一貫性が保てない


といった問題が起きやすいからです。


そこで必要なのが 操作的定義(Operational Definition) です。




操作的定義とは?


操作的定義とは誰が見ても同じように観察・測定できるように、行動を具体的に記述したもの。


「わかりやすい説明」ではなく、 “観察可能・測定可能・再現可能” がポイントです。

良い操作的定義の3つの特徴


① 客観的(Objective)

  • 観察できる行動だけを書く

  • 主観的な言葉(怒っている・やる気がない・落ち着かない)は使わない

② 明確(Clear)

  • 読んだ人がすぐ理解できる

  • あいまいな表現を避ける

  • 誰が読んでも同じ行動を指すように書く

③ 完全(Complete)

  • どこから始まり、どこで終わるか(onset/offset)を書く

  • 例(examples)と非例(non-examples)を含める

  • 何が含まれ、何が含まれないかを明確にする



2つの定義方法


行動の定義には 機能ベース と 形態ベース の2種類があります。


① 機能ベースの定義(Function-based)

行動が環境にどんな影響を与えるか(結果)で定義する方法。


  • 例:

    • 「物を投げる」→“物が手から離れ、床や壁に当たる行動”

    • 「逃避行動」→“要求された課題から離れることで課題を回避する行動”

行動の形が複数あっても、同じ機能なら1つの行動として扱えるのがメリットです。


② 形態ベースの定義(Topography-based)

行動の見た目・形そのものを記述する方法。


  • 例:

    • 「叩く」→“手のひらまたは拳で他者の体に接触する行動”

    • 「泣く」→“涙を流す、声を出す、またはその両方を伴う行動”

行動の形が重要なときに使われます。



実際の例:あいまいな定義 vs 操作的定義


● あいまいな定義(NG)

「かんしゃくを起こす」 → どんな行動?どこからどこまで?人によって解釈が違う


● 操作的定義(OK)

「30秒以上続く、泣く・叫ぶ・床に倒れる・足をバタバタさせる行動。 これらの行動が1分以上見られなくなったら終了とする。 遊びの中で床に寝転ぶ行動は含まない。」

→ 誰が読んでも同じ行動を指す



操作的定義が必要な理由


  • データが正確になる

  • 支援者間でのズレがなくなる

  • 行動の変化が明確に見える

  • 介入の効果を正しく判断できる

  • 保護者・学校・療育で一貫した対応ができる


操作的定義は、行動支援の“土台”と言っても過言ではありません。



まとめ


操作的定義とは、 行動を客観的・明確・完全に記述し、誰が見ても同じように理解できるようにすること。


  • 客観的

  • 明確

  • 完全

  • 機能ベース or 形態ベース

  • 例と非例を含める


これらを押さえることで、支援の質が大きく向上します。


【問題1】

「落ち着きがない」という行動を定義したい支援者が、 “授業中に椅子から3秒以上離れて歩き回る行動”と記述した。 この定義が満たしている操作的定義の特徴として最も適切なのはどれか。


A. 主観的である

B. 客観的である

C. 不完全である

D. 機能ベースの定義である


答え:B  

解説: 観察可能な行動のみを記述 → 客観的。



【問題2】

「かんしゃく」を“怒っている状態”と定義した場合、最も問題となる点はどれか。


A. 行動の開始と終了が明確すぎる

B. 形態ベースの定義になっている

C. 主観的で観察不可能な言葉を使っている

D. 機能ベースの定義として適切である


答え:C  

解説: “怒っている”は観察できず、人によって解釈が異なる → 操作的定義としてNG。



【問題3】

「逃避行動」を“課題から離れることで要求を回避する行動”と定義した。 この定義方法として最も適切なのはどれか。


A. 形態ベースの定義

B. 機能ベースの定義

C. 主観的定義

D. 不完全な定義


答え:B  

解説: 行動が環境に与える“結果”で定義 → 機能ベース。



【問題4】

「叩く行動」を“手のひらまたは拳が他者の体に接触する行動”と定義した。 この定義の特徴として最も適切なのはどれか。


A. 機能ベースの定義

B. 形態ベースの定義

C. 主観的定義

D. 不完全な定義


答え:B  

解説: 行動の“形”そのものを記述 → 形態ベース。



【問題5】

次の定義の問題点として最も適切なのはどれか。 「かんしゃく:泣いたり叫んだりする行動」


A. 客観的すぎる

B. 行動の開始・終了が明確でない

C. 機能ベースの定義になっている

D. 例と非例が多すぎる


答え:B  

解説: どこから始まり、どこで終わるかが不明 → 完全性が不足。



【問題6】

次のうち、操作的定義として最も適切なのはどれか。


A. 「やる気がないときに見られる行動」

B. 「授業中に机に突っ伏して30秒以上動かない状態」

C. 「落ち着きがない行動全般」

D. 「困っている様子が見られる行動」


答え:B  

解説: 観察可能・明確・開始と終了が定義されている。



【問題7】

「床に寝転ぶ行動」を定義したい。 次のうち、非例(non-example) として最も適切なのはどれか。


A. 床に仰向けになり、手足を動かす行動

B. 床にうつ伏せになり、泣きながらバタバタする行動

C. 遊びの中で床に寝転んでキャラクターごっこをしている行動

D. 床に座り込んで動かない行動


答え:C  

解説: “問題行動としての寝転び”に含めない例 → 遊びの寝転びは非例。

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