行動トラップ(Behavior Trap)
- Together合同会社

- 2月8日
- 読了時間: 5分
更新日:2月13日
子どもの困った行動に対して、 「とりあえず今は静かにしてほしい」 「この場を早く収めたい」 という気持ちで対応してしまうこと、ありますよね。
実はその対応が、 長期的にはその困った行動を増やしてしまう という現象があります。
ABA ではこれを 行動トラップ(Behavior Trap) と呼びます。
行動トラップとは?
行動トラップとは、短期的には行動が止まるけれど、長期的にはその行動を強化してしまう対応のこと。
つまり、 「今は楽になるけど、あとで大変になる」 という状態です。
買い物中の“お菓子ほしい!”ケース
● ある日のスーパーで…
子ども(Aくん)
お菓子売り場で「これ買って!」と言う。 親が断ると、Aくんは大きな声で泣き始める。
親
周りの目が気になり、 「もう…わかったから泣かないで」と言ってお菓子を渡す。
● AくんのABC
先行条件(A) | 行動(B) | 結果(C) |
お菓子がほしい | 泣く・叫ぶ | 親が買ってくれる |
→ 泣くことで欲しいものが手に入った → Aくんにとって泣く行動が強化される
● 親のABC
先行条件(A) | 行動(B) | 結果(C) |
Aくんが泣く | お菓子を渡す | 泣きやむ(静かになる) |
→ お菓子を渡すと泣き止む → 親にとって「渡す行動」が強化される
● これが行動トラップ
子どもは「泣けば買ってもらえる」と学ぶ
親は「渡せば静かになる」と学ぶ
お互いの行動が強化し合い、 泣く行動がどんどん強く・頻繁になる という悪循環が起きます。
行動トラップが起きやすい場面
買い物中の「買って!」
朝の支度で「行きたくない!」
宿題中の「やりたくない!」
兄弟げんかで「おもちゃ返して!」
就寝前の「まだ寝ない!」
どれも、 その場を早く収めたい気持ちが強い場面 です。
行動トラップを避けるためにできること
① 望ましい行動を先に強化する
静かに待てたら褒める
断られても落ち着いていられたら強化する
② 望ましくない行動には強化を与えない
泣いたから買う、叫んだから許す、を避ける (※安全確保が最優先)
③ 事前にルールを伝える
「今日はお菓子は買わないよ」
「買うものはこれだけだよ」
④ 代替行動を教える
「買っていいか聞く」
「選べるのは1つだけ」など
まとめ
行動トラップとは、 短期的には楽になるけれど、長期的には困った行動を増やしてしまう対応 のこと。
子どもは「困った行動で欲しいものが手に入る」と学び
大人は「渡せば静かになる」と学ぶ
この“相互強化”が、行動を固定化させてしまいます。
行動トラップを理解すると、 「なぜこの行動が続くのか」 「どうすれば減らせるのか」 がとてもクリアに見えてきます。
【問題1】
スーパーで子どもが泣き叫び、親が「静かにしてほしい」という理由でお菓子を渡した。 このとき、子どもの行動(泣く)が強化された理由として最も適切なのはどれか。
A. 親が注意を向けたから
B. 親が泣く行動を無視したから
C. 泣くことで望む結果(お菓子)が得られたから
D. 親が事前にルールを伝えていたから
答え:C
解説: 行動の結果として好子が得られる → 行動が強化される。
【問題2】
同じ場面で、親の「お菓子を渡す行動」が強化される理由として最も適切なのはどれか。
A. 渡すと子どもが泣き止み、親にとって不快が取り除かれるから
B. 親が子どもに褒められるから
C. 子が注意を向けたから
D. 親が行動計画を立てていたから
答え:A
解説: 不快の除去=負の強化 → 親の「渡す行動」が強化される。
【問題3】
次のうち、行動トラップが成立するために最も重要な要素はどれか。
A. 行動が長時間続くこと
B. 子どもと大人の行動が互いに強化し合うこと
C. 行動が自然消去されること
D. 行動がトップグラフィーで定義されていること
答え:B
解説: 行動トラップは“相互強化”が本質。
【問題4】
次のうち、行動トラップが起きやすい状況として最も適切なのはどれか。
A. 子どもが静かに読書しているとき
B. 大人が十分に時間と余裕を持って対応できるとき
C. その場を早く収めたい気持ちが強い場面
D. 行動がほとんど起きない場面
答え:C
解説: “今だけ静かにしてほしい”という状況でトラップが起きやすい。
【問題5】
行動トラップを避けるための対応として最も適切なのはどれか。
A. 困った行動が起きたらすぐに強化する
B. 望ましい行動を事前に強化しておく
C. 子どもの要求をすべて受け入れる
D. 困った行動を記録しない
答え:B
解説: 望ましい行動を先に強化することで、困った行動が起きにくくなる。
【問題6】
次のうち、行動トラップの典型的な例として最も適切なのはどれか。
A. 子どもが静かに待てたときに褒める
B. 子どもが宿題を始めたのでトークンを渡す
C. 子どもが「行きたくない!」と叫んだので、学校を休ませた
D. 子どもが遊びをやめたので休憩を与えた
答え:C
解説: 叫ぶ→学校を回避できる=行動が強化される → 行動トラップ。
【問題7】
行動トラップが起きているときの子どもの学習として最も適切なのはどれか。
A. 「困った行動をしても意味がない」と学ぶ
B. 「困った行動をすると望む結果が得られる」と学ぶ
C. 「望ましい行動をすると叱られる」と学ぶ
D. 「行動は自然に消える」と学ぶ
答え:B
解説: 困った行動が機能してしまう → 行動が固定化される。
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