言語行動(Verbal Behavior)
- ABAスクールTogether

- 2月8日
- 読了時間: 5分
更新日:2月13日
ABA では、言語を「音声」だけでなく、指差し・ジェスチャー・サイン・文字・表情など、広い意味での“コミュニケーション行動”として捉えます。
そして、言語行動を理解するうえで重要なのが、 言語オペラント(Verbal Operants) という考え方です。
この記事では、言語行動の基本から、6つの主要オペラント(mand, tact, duplic, codic, intraverbal, listener responding)まで、わかりやすく解説します。
言語行動とは?
ABA では、言語行動を 「他者の行動によって強化される行動」 と定義します。
つまり、
話す人(speaker)は、言語行動を出して強化を得る
聞く人(listener)は、反応したり強化を与えたりする
この speaker と listener の役割の交互作用 が、言語行動の本質です。
6つの主要言語オペラント
ここからは、ABA で最もよく使われる6つの言語オペラントを、例とともに紹介します。
① Mand(マンド)
欲しいもの・必要なものを要求する言語行動。 MO(動機づけ操作)によってコントロールされます。
例:
のどが渇いて「お水ちょうだい」
遊びたいおもちゃを指差して「これ!」
● 拡張マンド
魔法のマンド:叶わない願い
例:「宝くじ当たらないかな」
迷信的マンド:偶然強化される
例:「赤い靴下を履くと勝てる気がする」
② Tact(タクト)
見たもの・聞いたもの・感じたものを“ラベル付け”する言語行動。 非言語刺激がコントロールします。
例:
時計を見て「とけい!」
犬を見て「いぬ!」
● タクトの拡張
一般化タクト:写真の車も本物の車も「くるま」
比喩タクト:コーヒーを「氷みたいに冷たい」
転移タクト:4本足の動物を全部「ねこ」と呼ぶ
文法的誤用タクト: 「ぼく、つかれた → ぼく、つかれたよ」
● 私的出来事のタクト
痛み・気持ち・体調など
他者の観察(泣く・押さえるなど)を手がかりに学ぶ
③ Duplic(デュプリック)
同じ形式で“まねる”言語行動。 ポイントは、
点対応あり(point-to-point correspondence)
形式的類似性あり(formal similarity)
● 種類
Echoic エコーイック(音声の模倣)
例:大人「クッキー」→ 子ども「クッキー」
Mimeticミメティック(サインの模倣)
Copying a text 書字のコピー
④ Codic(コディック)
形式は違うが、点対応がある言語行動。 形式的類似性はありません。
Textualテクスチュアル(文字 → 発声)
例:boy と書いてあるのを見て「ボーイ」と読む
Dictation ディクテーション(音声 → 書字)
例:先生が「今日は晴れです」と言い、子どもが書き写す
⑤ Intraverbal(イントラバーバル)
会話・質問応答・歌の続きなど、点対応も形式的類似性もない言語行動。
例:
「お弁当箱の色は?」→「あか」
「バスの歌、“The wheels on the bus go…”」→「round and round」
会話スキルの中心となるオペラントです。
⑥ Listener Responding(リスナー反応, 聞き手訓練)
言語行動ではなく、指示に従う行動。
例:
「ハイタッチ!」と言われて手を上げる
「ドア閉めて」と言われて閉める
その他の関連スキル
● Motor Imitation(動作模倣)
例:先生が回って「こうしてね」→ 子どもも回る
● Match-to-Sample(マッチング)
例:「マッチしてね」と言われ、同じ絵を選ぶ
● Autoclitic(オートクリティック)
主語・形容詞・語尾・トーンなど、言語行動を“修飾”する二次的オペラント。
例:
「たぶん…」「きっと…」
「赤いボール」「3つのボール」
「本当に欲しいんだけど…」
まとめ
言語行動は、 「何を言ったか」ではなく「なぜその言葉が出たのか」 という“機能”で理解するのが ABA の特徴です。
Mand → 欲しい
Tact → 見たものをラベル
Duplic → まねる
Codic → 読む・書く
Intraverbal → 会話
Listener Responding → 指示に従う
この視点を持つと、子どものコミュニケーションの発達段階がより明確に見え、支援の方向性も立てやすくなります。
【問題1】
のどが渇いている子どもがコップを指差して「みず」と言った。 この言語行動として最も適切なのはどれか。
A. Tact(タクト)
B. Mand(マンド)
C. Intraverbal(イントラバーバル)
D. Codic(コディック)
答え:B
解説: 欲求(MO)に基づく要求 → Mand。
【問題2】
子どもが犬を見て「いぬ!」と言った。 この言語行動として最も適切なのはどれか。
A. Mand
B. Tact
C. Echoic
D. Intraverbal
答え:B
解説: 非言語刺激(犬)をラベル付け → Tact。
【問題3】
大人が「クッキー」と言い、子どもが同じ音声で「クッキー」と言った。 この言語行動として最も適切なのはどれか。
A. Echoic(エコーイック)
B. Textual(テクスチュアル)
C. Intraverbal
D. Mand
答え:A
解説: 音声の模倣=形式的類似性+点対応 → Echoic(Duplic)。
【問題4】
子どもが「boy」と書かれた文字を見て「ボーイ」と読んだ。 この言語行動として最も適切なのはどれか。
A. Codic(コディック)
B. Tact
C. Intraverbal
D. Mand
答え:A
解説: 文字→音声で点対応あり、形式的類似性なし → Codic(Textual)。
【問題5】
「いーちにーの・・」と言われて、子どもが「さーん!」と続けた。 この言語行動として最も適切なのはどれか。
A. Intraverbal
B. Echoic
C. Tact
D. Mand
答え:A
解説: 点対応なし・形式的類似性なし → 会話・歌の続き=Intraverbal。
【問題6】
「赤いボールを取ってきて」と言われ、子どもが赤いボールを持ってきた。 この行動として最も適切なのはどれか。
A. Mand
B. Listener Responding(リスナー反応)
C. Tact
D. Codic
答え:B
解説: 言語行動ではなく、指示に従う行動 → Listener Responding。
【問題7】
大人が「こうしてね」と手話でサインを見せ、子どもが同じサインを再現した。 この言語行動として最も適切なのはどれか。
A. Mimetic(ミメティック)
B. Intraverbal
C. Tact
D. Mand
答え:A
解説: サインの模倣 → Duplic の一種である Mimetic。
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