適応行動アセスメント Vineland II / Vineland III
- ABAスクールTogether

- 2月10日
- 読了時間: 6分
更新日:2月13日
子どもの支援計画を立てるとき、行動観察やスキル評価だけでなく、標準化されたアセスメント(standardised assessments) が役立つ場面があります。
特に、行政・医療・教育・福祉などの支援制度では、「スコアの変化」 が必要とされることも多く、標準化アセスメントの理解は欠かせません。
この記事では、
標準化アセスメントとは何か
スコアの読み方
ABAに関係の深い「適応行動」の評価
代表的なツール(Vineland-3 / ABAS-3)
をわかりやすく紹介します。
1. 標準化アセスメントとは?
標準化アセスメントとは、
どの受検者にも同じ手順・同じ質問で実施される
大規模な集団データをもとに比較できる(=規準化されている)
という特徴があります。
標準化アセスメントには、
直接評価(direct):行動を実際に引き出して評価
間接評価(indirect):インタビューや質問紙で評価
の両方があります。
2. なぜABAにとって重要なのか
ABAは通常、個別の行動変容に焦点を当てます。 しかし、行政や医療、支援機関は 「スコアとしての変化」 を求めることがあります。
診断の補助
支援サービスの適格性判断
進捗報告
介入計画の作成
などにおいて、標準化アセスメントが役立つのです。
3. スコアの読み方:パーセンタイル・標準偏差・平均
標準化スコアとして以下を使うことが一般的です。
● 平均(Mean)
多くのテストは 平均100、標準偏差15で構成される。
● パーセンタイル(Percentile Rank)
同年代の集団の中で、どの位置にいるかを示す指標。 例:
50パーセンタイル → ちょうど真ん中
84パーセンタイル → 上位16%
2〜15パーセンタイル → 軽度の遅れと判断されることもある
● “平均範囲”
16〜84パーセンタイルが「平均」とみなされることが多い。
4. 適応行動(Adaptive Behaviour)とは?
適応行動とは、 日常生活を自立して送るために必要なスキル全般 のこと。
例:
身支度
コミュニケーション
社会性
家事・地域参加
健康・安全
学習スキル
適応行動は、知的障害の診断基準(DSM-5)にも含まれており、非常に重要な領域です。
ABAよく扱う2つの適応行動アセスメント
① Vineland Adaptive Behaviour Scales – 3rd Edition(Vineland‑3)
*Vineland‑2 日本語に翻訳されています
● 評価領域
コミュニケーション(受容・表出・書字)
生活スキル(身辺・家庭・地域)
社会性(対人関係・遊び・コーピング)
● 特徴
0〜90歳まで幅広く使用可能
インタビュー形式またはオンライン回答
0/1/2 のスケールで細かく評価
DSM-5 の適応機能領域と一致
② Adaptive Behaviour Assessment System – 3rd Edition(ABAS‑3)
*日本語の翻訳なし
● 評価領域
概念(コミュニケーション・学習など)
社会(対人関係・社会性)
実用(生活スキル・健康・安全)
● 特徴
0〜89歳まで対応
保護者・教師・成人本人の自己評価も可能
11の下位領域を詳細に評価
標準スコア・パーセンタイル・信頼区間などが算出される
まとめ:標準化アセスメントは “支援の質” を高めるツール
標準化アセスメントは、
客観的なスコア
他者との比較
診断・支援制度との連携
介入計画の精度向上
など、多くのメリットがあります。
特に 適応行動の評価 は、 子どもの生活の質・自立・社会参加に直結するため、行動分析士にとって非常に重要です。
Vineland‑3 や ABAS‑3 は、 “その子が日常生活でどれだけ自立しているか” “どんな支援が必要か” を理解するための強力なツールと言えるでしょう。
【問題1】
5歳児の支援計画を作成する際、保護者インタビューを通して「身支度の手順をどの程度自立して行えるか」を 0/1/2 で評価した。この方法が“標準化アセスメント”として成立するために最も重要な条件はどれか。
A. 保護者が子どもの行動を動画で提出すること
B. 評価者が自由に質問内容を調整できること
C. 同年齢集団の大規模データと比較できる規準があること
D. 評価後にABAの直接観察を必ず併用すること
答え:C
解説: 標準化アセスメントは「同じ手続きで実施され、規準化された集団データと比較できる」ことが必須。
【問題2】
行政への進捗報告で「スコアとしての変化」を示す必要があるケース。ABAの直接観察では改善が見られるが、標準化スコアでは変化が小さい。この状況を最も正しく説明しているのはどれか。
A. 標準化スコアは集団比較であるため、個別の行動改善が必ずしも大きく反映されない
B. 標準化スコアは日常生活の変化を反映しないため、使用すべきではない
C. ABA介入が適切でなかった可能性が高い
D. 標準化アセスメントは直接評価のみで構成されるため、変化が出にくい
答え:A
解説: 個別の改善と、集団基準に基づくスコア変化は別物。
【問題3】 ある子どもが 適応行動検査 の「社会性」領域で 2パーセンタイル だった。支援者がこの結果を解釈する際に最も適切なのはどれか。
A. 同年代の子どもの約98%よりも低い水準であると理解する
B. 標準偏差が2であるため、平均範囲に含まれると判断する
C. パーセンタイルは年齢に依存しないため、年齢は考慮しない
D. 2パーセンタイルは「平均範囲」に分類されるため、支援は不要
答え:A
解説: 2パーセンタイルは「同年代の約98%が上位に位置する」ことを示す。
【問題4】
適応行動検査を使用して適応行動を評価したところ、「実用(Practical)」領域が特に低いスコアだった。次のうち、この領域の特徴として最も適切なのはどれか。
A. 対人関係や遊びなどの社会性が中心である
B. 身辺自立・健康・安全・家事など、日常生活の実行スキルが中心である
C. 読み書き・計算などの学習スキルが中心である
D. 言語理解と表出言語の能力が中心である
答え:B
解説: Practical は「生活スキル・健康・安全・家事」などの実行スキル。
【問題5】
適応行動検査 を用いたインタビューで、保護者が「できる時とできない時がある」と回答した。評価者が 0/1/2 のどれを選ぶか迷った場合、標準化アセスメントとして最も適切な判断基準はどれか。
A. 子どもが最も得意な状況での行動を基準にする
B. 保護者が“できる”と感じている方を優先する
C. マニュアルに基づき、「一貫してできるかどうか」で判断する
D. 支援者が観察した印象を優先する
答え:C
解説: 適応行動検査はマニュアルに沿って「一貫性」を基準に判断する必要がある。
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