ABAセラピー記録(Session Notes)記載方法
- ABAスクールTogether

- 5月11日
- 読了時間: 3分
ABA(応用行動分析)の現場では、 ABAセラピストが毎回のセッション後に セラピー記録(Session Notes)を作成します。
これは単なる「日記」ではありません。 セラピー中に実際に起きたことを、主観を入れずに客観的に記録する専門文書です。
セラピー記録 は、とても重要で、 監査やスーパービジョンでも必ずチェックされる項目です。
この記事では、
セラピー記録の目的
書くときのルール
良い例・悪い例
完成サンプル をまとめて解説します。
■ セラピー記録(Session Notes) とは何か
セラピー記録と は、 セッション中に実際に起きたことを、事実ベースで記録する文書です。
目的は次の通りです。
ABAスーパーバイザーが介入内容を調整するための情報
保護者・学校・医療機関との共有
法的・倫理的な証拠
データの裏付けとしての記録
セラピー記録は「評価」や「解釈」をするものではなく、 “起きた事実”だけを書きます。
■ セラピー記録(Session Notes) の基本ルール
1. 客観的に書く
主観・推測・感情は書かない。
NG:
「今日は機嫌が悪かった」
「やる気がなかった」
「不安そうだった」
OK:
「課題提示時に泣き声を上げた(3回)」
「着席時間は5分中3分40秒」
2. 数字で書く(Quantifiable)
回数
時間
試行数
成功率
数字は客観性を高めるために必須です。
3. 実施したプログラムを書く
何を何試行したか
どのプロンプトを使ったか
どの強化を使ったか
4. 問題行動は事実だけを書く
NG:
「暴れた」
「パニックになった」
OK:
「机を叩く行動が5回あった」
「走り出す行動が2回あった」
5. 保護者とのやり取りも“事実のみ”
NG:
「お母さんは心配しているようだった」
OK:
「保護者より『昨夜は睡眠が短かった』との報告あり」
■ 良い例・悪い例
● 悪い例(NG)
「今日は全然やる気がなく、集中できていなかった。」
「お母さんがいなかったので不安そうだった。」
「とても頑張っていた。」
→ 主観・推測・感情が入っているため NG。
● 良い例(OK)
「課題提示時に泣き声を上げる行動が3回あった。」
「要求言語は10試行中8試行で自発。」
「走り出す行動が2回あり、いずれも5秒以内に停止した。」
→ 行動・数字・事実で書かれているため OK。
■ セラピー記録の構成
セッションの概要
実施したプログラム
子どもの行動(客観的記述)
データの要点
問題行動の有無と対応
保護者とのやり取り(事実のみ)
次回へのメモ(事実ベース)
■ セラピー記録 例
以下は、ABAセラピストが実際に書く形式に合わせた 完全な セラピー記録のサンプルです。
日時: 2026/5/10 担当: ABAセラピスト 時間: 60分 場所: セラピールーム
1. セッション概要
要求言語、マッチング、着席行動のプログラムを実施。
2. 実施したプログラム
要求言語(Mands):10試行
マッチング:12試行
着席行動:5分 × 2セット
3. 生徒の行動
課題提示時に泣き声を上げる行動が3回あった。
走り出す行動が2回あり、いずれも5秒以内にスタッフが停止した。
要求言語は10試行中8試行で自発。
着席時間は5分中3分40秒(1セット目)、4分10秒(2セット目)。
4. 強化・プロンプト
要求言語は部分的プロンプトを4回使用。
強化は好子(車の玩具)を10〜20秒提示。
5. 問題行動の有無
逃走行動が2回発生。
危険はなく、環境調整(出口の施錠)を実施。
6. 保護者とのやり取り
セッション前に「昨夜は睡眠が短かった」との報告あり。
セラピー後に保護者へデータを共有。
7. 次回へのメモ
着席行動の強化頻度を増やす必要についてスーパーバイザーに相談する
■ まとめ
ABAセラピストの セラピー記録 は、 “セッション中に起きたことを、客観的・事実ベースで記録する文書”です。
ポイントは以下の通りです。
主観・推測・感情は書かない
行動・数字・事実を書く
プログラム内容とデータを明確にする
問題行動は客観的に記録
保護者とのやり取りも事実のみ


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