飽和・剥奪と 確立操作・無効操作
- ABAスクールTogether

- 7 日前
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行動が変わる「状態」と「機能」を区別しよう
ABA(応用行動分析)では、行動が起きやすくなる条件を理解することがとても大切です。
その中でもよく登場するのが、
飽和(satiation)
剥奪(deprivation)
確立操作(EO:Establishing Operation)
無効操作(AO:Abolishing Operation)
の4つです。
名前は難しそうですが、実はとても身近な概念です。
この記事では、保護者や支援者の方にも分かりやすいように、例を交えながら整理していきます。
◆まず最初に:一番大事なポイント
飽和・剥奪は「状態」
EO・AOは「その状態が行動に与える影響」
この違いを押さえると、理解が一気にスムーズになります。
◆1. 飽和(satiation)と剥奪(deprivation)とは?
●飽和(satiation)
ある強化子(好きなもの・活動)を十分に得た状態です。
例:お菓子をたくさん食べた → お菓子の価値が下がる
例:タブレットを長時間使った → タブレットの魅力が下がる
●剥奪(deprivation)
ある強化子をしばらく得ていない状態です。
例:長時間水を飲んでいない → 水の価値が上がる
例:しばらく褒められていない → 注目の価値が上がる
飽和・剥奪は、あくまで身体的・環境的な状態を表す言葉です。
◆2. EO(確立操作)と AO(無効操作)とは?
飽和・剥奪という「状態」が、行動にどんな影響を与えるかを説明するのが EO/AO です。
●EO(確立操作:Establishing Operation)
強化子の価値を上げる
その強化子を得るための行動が増える
例:
朝食を食べていない(剥奪)
→ 食べ物の価値が上がる
→ 食べ物を得る行動が増える
●AO(無効操作:Abolishing Operation)
強化子の価値を下げる
その強化子を得るための行動が減る
例:
お菓子をたくさん食べた(飽和)
→ お菓子の価値が下がる
→ お菓子を求める行動が減る
◆3. 飽和・剥奪と EO・AO の関係
よくある誤解として、
剥奪=EO
飽和=AO
と覚えてしまうケースがあります。
しかし、正確にはこうです。
飽和・剥奪は「状態」
EO・AOは「その状態が行動にどう影響したか」
つまり、
剥奪 → EO になりやすい
飽和 → AO になりやすい
という傾向はありますが、
「どの強化子に対して」「どの行動に対して」かで変わります。
ABAでは、行動の変化を説明するために EO/AO を使うのが基本です。
◆4. 具体例で理解を深めよう
以下の表は、状態と行動の関係を整理したものです。
状態(飽和・剥奪) | 強化子の価値 | 行動への影響 | EO/AO |
食べ物を長時間食べていない | 上がる | 食べ物を得る行動が増える | EO |
お菓子をたくさん食べた | 下がる | お菓子を求める行動が減る | AO |
しばらく褒められていない | 上がる | 注目を得る行動が増える | EO |
タブレットを長時間使った | 下がる | タブレットを求める行動が減る | AO |
◆5. 支援の現場でどう役立つ?
●「なぜ今この行動が増えたのか?」が分かる
例:授業中に話しかけが増えた
→ 注目の剥奪 → EO が働いている可能性
●強化子の使い方を調整できる
例:タブレットを強化子にしたい
→ 事前に少し剥奪状態を作る(長時間使わせない)
●問題行動の予防につながる
例:お菓子を強化子にしているのに、直前に大量に食べてしまった
→ 飽和 → AO → 強化が効かない → 行動が安定しない
◆6. まとめ
飽和・剥奪は「状態」
EO・AOは「その状態が行動に与える影響」
ABAでは、行動の変化を説明するために EO/AO を使う
強化子の価値は「状態」によって大きく変わる
支援や指導の計画を立てるうえでとても重要な視点



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