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PBIS Tier 3 ポジティブ行動支援(学校)
Tier 3 は、 Tier 1・Tier 2 だけでは行動が安定しない子どもに対して行う、個別で集中的な支援レベル です。 対象となるのは、学校全体の 約3〜5% 。 高頻度・高強度の問題行動がある 学習や友人関係、学校生活に大きな影響が出ている 単発の指導や注意では改善が難しい といった子どもに対して、 「その子専用の支援パッケージ」を組むイメージ です。 Tier 3 支援の大きな特徴 個別化(Individualized) :一人ひとりに合わせた支援 集中的(Intensive) :頻度・密度の高い支援 機能に基づく(Function-based) :行動の“理由”に合わせた支援 多職種・多機関連携(Team-based) :学校+家庭+専門職で支える ① 機能的行動アセスメント(FBA)から始める Tier 3 のスタート地点は、 機能的行動アセスメント(FBA:Functional Behavioral Assessment) です。 「なぜその行動が起きているのか?」 「その行動は、子どもにとって何の役に立っているのか?」..

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3月4日読了時間: 6分


PBIS Tier 2 ポジティブ行動支援(学校)
Tier 2 は、 Tier 1 だけでは行動が安定しにくい子どもに、追加の支援を提供する段階 です。 対象となるのは、学校全体の 約10〜20% 。 特徴は次の通りです。 個別ではなく 小集団(グループ) で行う すべての子どもに必要なわけではない Tier 1 のルール・強化をベースに“追加の支援”を重ねる データに基づいて対象児を選ぶ 早期介入で Tier 3 への移行を防ぐ Tier 2 は、 「困り始めた段階で早めに支える」 という、予防的で優しいアプローチです。 Tier 2 の中心となる支援の種類 Tier 2 には、学校でよく使われる代表的な支援があります。 ここでは、実践で最も効果が高いものを詳しく紹介します。 ① チェックイン・チェックアウト(CICO) CICO は、Tier 2 の中でも最も広く使われている方法です。 ■ 仕組み 朝、担当の先生と「今日の目標」を確認(Check-in) 1日の中で教師が行動をチェック 帰りに担当の先生と振り返り(Check-out) 家庭にも共有して一貫した支援を行う ■ 目的.

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3月4日読了時間: 5分


PBIS Tier 1 ポジティブ行動支援(学校)
PBIS Tier 1 は、 すべての児童生徒・すべての教職員・すべての場面 を対象にした、学校全体の行動支援です。 目的はとてもシンプル。 問題行動を減らすのではなく、望ましい行動を“学校文化として育てる”こと。 Tier 1 がしっかり機能すると、 学校全体の約80%の児童生徒は追加支援なしで安定した行動が身につきます。 Tier 1 の中心となる5つの要素 Tier 1 は、ただ「褒める」だけではありません。 学校全体で一貫した仕組みをつくることが重要です。 ① 学校全体で共通の行動期待(Expectations)をつくる 学校全体で 「どんな行動を大切にするか」 を明確にし、すべての場面で共有します。 例: Respect(尊重) Responsibility(責任) Safety(安全) これを「3つの約束」などにして、 廊下・教室・校庭・トイレなど、場面ごとに具体化します。 例: 廊下:走らない、静かに歩く 教室:手を挙げて発言する 校庭:順番を守る ② 行動期待を“教える”時間をつくる(Explicit Teaching)

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3月4日読了時間: 5分


PBIS ポジティブ行動支援(学校)
学校での行動支援というと、 「問題行動が起きたら注意する」「ルールを破ったらペナルティを与える」 といった対応を思い浮かべる方も多いかもしれません。 しかし PBIS(Positive Behavioral Interventions and Supports)は、 弱化ではなく、望ましい行動を増やすことに焦点を当てた学校全体の支援システム です。 PBIS の考え方はとてもシンプル。 良い行動を強化すれば、良い行動が増える。 弱化を中心にすると、行動は改善しにくい。 ABA(応用行動分析)の原理をベースに、 学校全体で一貫した行動支援を行う仕組みです。 PBIS は3つの層(Tier)で構成されている PBIS は、すべての児童生徒を同じ方法で支援するのではなく、 必要に応じて支援のレベルを変える「三層構造」 を採用しています。 Tier 1:一次予防(Primary Level) 学校全体を対象にした“全員向け”の支援 Tier 1 は、 学校全体で共通のルール・期待される行動・強化の仕組みを整える段階 です。 例:...

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3月4日読了時間: 4分


セレクショニズム(Selectionism)
ABA(応用行動分析)の大きな土台となっているのが 「 セレクショニズム(Selectionism)=選択による進化の考え方」 です。 セレクショニズムとは、 行動が「続く」「変わる」「消える」のは、その人が経験した結果によって“選ばれる”から という考え方。 つまり、 役に立った行動は残る 役に立たなかった行動は減る 生き残るために必要な行動は強化される という、非常にシンプルで自然な仕組みです。 ABA はこの考え方をもとに、 「なぜその行動が続くのか?」 「どうすれば望ましい行動が増えるのか?」 を理解していきます。 セレクショニズムには3つの種類がある ABA では、行動が“選ばれる”仕組みを次の3つに分類します。 個体レベル(Ontogenic Selectionism) 種レベル(Phylogenic Selectionism) 文化レベル(Cultural Selectionism) ひとつずつ、わかりやすく見ていきましょう。 ① 個体レベルの選択(Ontogenic Selectionism) その人の経験によって行動が選

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3月4日読了時間: 4分


NET ネット 自然環境での指導
ABA(応用行動分析)には、 スキルを確実に教えるための DTT(不連続試行法) のような構造化された方法があります。 一方で、 学んだスキルを実生活で使えるようにするための方法 として重要なのが NET ネット(Natural Environment Teaching:自然環境での指導) です。 NET は、 机上ではなく、生活の中で ABA を使って学ぶ方法 。 家庭 学校 公園 買い物 遊びの中 日常の家事 こうした自然な場面でスキルを教えることで、 子どもは「学んだことを生活で使える」ようになります。 NET の特徴:自然な場面で、自然な動機づけを使う NET の最大の特徴は、 自然な動機づけ を活かすこと。 たとえば… おやつがほしい → 「ちょうだい」を学ぶ 公園で遊びたい → 靴を履く練習につながる 洗濯物を片づけたい → 分類(sorting)の練習になる このように、 子どもが“今やりたいこと”を学習のきっかけにする のが NET です。 おもちゃの片づけで「カテゴリー分け」 ■ 活動 遊び終わったおもちゃを 車 ブロ

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3月4日読了時間: 4分


般化(Generalization)
ABA(応用行動分析)でスキルを教えるとき、 「できるようになった!」 という瞬間はとても嬉しいものです。 しかし、実はそこで終わりではありません。 どんなスキルも、 教室やセラピー室だけでできても、日常生活で使えなければ意味がない というのが ABA の基本的な考え方です。 そこで重要になるのが 般化(Generalization) です。 般化とは? 般化とは、 人工的・練習用の場面で学んだスキルを、自然な環境でも使えるようになること を指します。 たとえば… セラピー室では「ちょうだい」と言える → 家でも言えるようになる → 公園でも言えるようになる このように、 学んだスキルが“本物の生活”に広がっていくこと が般化です。 なぜ般化が大切なのか? 理由はとてもシンプルです。 ● 実生活で使えなければ、スキルとして成立しないから 教室でできても、家でできなければ困ってしまいます。 ● 支援が終わったあとも自立して使えるようにするため 般化ができると、支援がなくてもスキルを維持できます。 ● 子どもの「できた!」が生活全体

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3月4日読了時間: 6分


行動カスプ(Behavioral cusp)とピボタル行動(Pivotal behavior)
行動カスプ(Behavioral cusp)とは? 行動カスプとは、 ある行動を習得することで、その人の世界が一気に広がる現象 のことを指します。 単に「できることが増える」というだけではなく、 新しい環境・新しい経験・新しい強化子にアクセスできるようになる という、大きな変化をもたらす行動のことです。 Rosalez-Ruiz & Baer(1997)は、行動のカスプを次のように説明しています。 新しい行動を学ぶことで、これまでアクセスできなかった環境や強化子、条件、場面に触れられるようになる現象。 つまり、 「その行動を覚えた瞬間、人生の選択肢が一気に増える」 そんな行動のことです。 行動カスプの例:赤ちゃんのハイハイ 赤ちゃんがハイハイを覚えると、 行ける場所が増える 触れられるものが増える 新しい経験が増える これらはすべて、ハイハイという行動が“世界を広げた”結果です。 まさに行動のカスプの典型例です。 行動カスプの例:子どもが「文字を読む」ことを覚えたとき 子どもが「文字を読む」ことを覚えると、彼の世界は一気に広がります

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3月3日読了時間: 6分


科学の6つの態度(Six Attitudes of Science)
ABA(応用行動分析)を学んでいると、「科学の6つの態度」という言葉を目にすることがあります。 これは、行動分析だけでなく、科学全般を支える“基本的な姿勢”のことです。 行動分析学の教科書として有名な Cooper, Heron, & Heward(2020) でも、この6つの態度の重要性が強調されています。 では、科学を科学たらしめる「6つの態度」とは何でしょうか。 ひとつずつ、日常の例も交えながら紹介します。 科学の態度1. 決定論(Determinism) ― 行動には必ず理由がある 科学の出発点は、「物事には原因がある」という考え方です。 行動分析では、 「その行動が起きたのは、必ず何かの環境要因が影響している」 と考えます。 たとえば、子どもが急に走り出したときも、 ・楽しいものを見つけた ・逃げたい状況だった ・注目を引きたかった など、背景には必ず理由があります。 科学の態度2. 経験主義(Empiricism) ― 観察できる事実を大切にする 科学は「見えるもの」「測れるもの」を扱います。 ABA でも、 ・行動を数える ・時間

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3月3日読了時間: 4分


行動分析学の4つの領域
ABA(応用行動分析)を学んでいると、「行動分析学には4つの領域がある」という話を耳にすることがあります。 しかし、専門用語が多くて少しとっつきにくいと感じる方も多いかもしれません。 そこで今回は、 行動分析学を構成する4つの領域 を、できるだけわかりやすく紹介します。 4つの領域とは? 行動分析学は、大きく次の4つに分けられます。 行動主義(Behaviorism) 実験行動分析(EAB) 応用行動分析(ABA) 行動分析に基づく実践(Practice) この4つは、役割も目的も少しずつ異なりますが、すべてがつながり合って、今の ABA の実践を支えています。 1. 行動主義:行動をどう捉えるかという“哲学” 行動主義は、行動分析学の土台となる考え方です。 「行動は観察できるものに基づいて理解する」 「行動には必ず原因がある」 といった哲学的な視点を提供します。 理論と哲学が中心なので、扱う範囲はとても広い一方、実験データがない部分も含むため、精密さは高くありません。 2. 実験行動分析(EAB):行動の“基本原理”を明らかにする研究 EAB.

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3月3日読了時間: 5分


ABAの歴史
ABA(Applied Behavior Analysis/応用行動分析)は、行動を科学的に理解し、より良い行動を増やすための実践的な学問です。 言語、コミュニケーション、ソーシャルスキル、セルフヘルプ、安全スキルなど、日常生活に欠かせない力を育てるために、世界中で活用されています。 今回は、ABA がどのように発展してきたのか、その歴史をわかりやすく紹介します。 ABA のはじまり: 行動を“科学”として見る視点(1897〜1930年代) ABA のルーツは、19世紀末の心理学研究にさかのぼります。 1897年 :イワン・パブロフが古典的条件づけを研究 1913年 :ジョン・B・ワトソンが「行動主義」を提唱 1924年 :ワトソンが著書『Behaviorism』を出版 「行動は観察できる」「行動には法則性がある」という考え方が、この時期に形づくられました。 スキナーによる行動分析の基盤づくり (1930〜1950年代) ABA の発展に欠かせないのが B.F. スキナー です。 1938年 :『Behavior of Organisms』を出

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3月3日読了時間: 4分


アセスメント ABC記録(ABC recording)
ABC記録とは?行動の“なぜ”を見つけるための基本ツール 行動支援の現場でよく使われる「ABC記録」。 これは、子どもの行動をただ“見る”だけでなく、行動が起きる前後の流れを整理して、行動の理由(機能)を考えるための方法です。 行動には必ず理由があります。 「どうしてこの行動が起きたのか」を理解できると、支援の方向性がぐっと明確になります。 ABC記録の基本:A・B・Cとは? ABCは次の3つの頭文字です。 A:Antecedent(先行事象) 行動が起きる直前に何があったか。 例:大人が「片づけてね」と声をかけた、友だちにおもちゃを取られた、課題が難しかった…など。 B:Behavior(行動) 実際に起きた行動そのもの。 例:泣く、叫ぶ、逃げる、叩く、座り続ける、手を挙げる…など。 C:Consequence(結果) 行動の直後に起きたこと。 例:大人が手伝った、課題が中断した、注目が集まった、おもちゃが戻ってきた…など。 この3つをセットで記録することで、行動のパターンが見えてきます。 ABC記録 2つのタイプ ABC記述記録(ABC na

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3月3日読了時間: 6分


刺激性制御(stimulus control)
ABA を学ぶと必ず出てくる概念が 刺激性制御(stimulus control) 。 専門的に聞こえますが、実は私たちの生活のあらゆる場面で起きている、とても身近な現象です。 この記事では、刺激性制御の基本から、関連する現象(過度選択性・マスキング・オーバーシャドウイングなど)まで、日常例を交えてわかりやすく紹介します。 刺激性制御(stimulus control)とは? ある行動が、特定の刺激(SD:弁別刺激)の存在下で起こりやすくなること を指します。 例 テレビがついている(SD)→ テレビ番組を見る行動が起こりやすい 本が置いてある(SΔ)→ テレビ番組を見る行動は起こらない ABA では、SD のときに行動を強化し、SΔ のときには強化しない「弁別訓練」を通して、行動を適切な刺激のもとで起こせるようにしていきます。 誤った刺激に反応してしまう「誤った刺激性制御」Faulty Stimulus Control 本来関係のない刺激に行動がコントロールされてしまう状態 です。 例 課題の内容ではなく、先生の服の色で答え方が変わる プリント

ABAスクールTogether
2月28日読了時間: 5分


複合強化スケジュール(Compound Schedules)
ABA(応用行動分析)では、 行動が強化されるタイミングや条件を 強化スケジュール と呼びます。 その中でも、 複数のスケジュールが同時・交互・連続して働くもの を 複合強化スケジュール(Compound Schedules) といいます。 複合スケジュールは、 行動が複数の条件に左右されるとき 現場で複雑な行動を扱うとき トークンや課題の流れを設計するとき にとても役立ちます。 ここでは、代表的な7つの複合スケジュールをわかりやすく解説します。 ① 同時スケジュール(Concurrent Schedule) 複数の行動に“同時に別々のスケジュール”が働く 同時スケジュールでは、 2つ以上の行動に対して、別々の強化ルールが同時に存在 します。 ■ 例 ワークシートを解く → 30秒休憩 先生に唾を吐く → 15分タイムアウト 子どもは どの行動を選ぶか を自分で決めます。 選択行動の研究でよく使われるスケジュールです。 ② 多重スケジュール(Multiple Schedule) “刺激によって切り替わる”複数のスケジュール 多重スケジュ

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2月28日読了時間: 7分


正の強化・負の強化・正の弱化・負の弱化
ABA(応用行動分析)では、 行動が増えるのか、減るのかを説明するために 4つの基本原理 を使います。 正の強化(Positive Reinforcement) 負の強化(Negative Reinforcement) 正の弱化(Positive Punishment) 負の弱化(Negative Punishment) 名前が似ているため誤解されがちですが、 実はとてもシンプルなルールで成り立っています。 まずは大原則:“正・負”は良い悪いではなく、加える/取り除く の意味 正(Positive)=何かを加える 負(Negative)=何かを取り除く そして、 強化(Reinforcement)=行動が増える 弱化(Punishment)=行動が減る この2つを組み合わせるだけで理解できます。 ① 正の強化(Positive Reinforcement) 行動のあとに“良いことが加わり”、行動が増える 最もよく使われる原理です。 ■ 例 宿題をしたら褒められた → 次も宿題をする 片づけをしたらシールがもらえた → 片づけが増える 「ありがと

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2月28日読了時間: 5分


集団随伴性(Group Contingency)
学校や療育、学童など「集団」で行動を整えたい場面は多くあります。 そんなときに役立つのが 集団随伴性(Group Contingency) です。 集団随伴性とは、 複数の人の行動を、強化(reinforcement)や弱化(punishment)のルールでまとめて管理する方法 のこと。 クラス全体の雰囲気を整えたり、協力行動を促したり、 個別支援と組み合わせることで、行動改善がスムーズに進むことがあります。 ABA では、集団随伴性を次の3種類に分けて考えます。 依存型(Dependent Group Contingency) 独立型(Independent Group Contingency) 相互依存型(Interdependent Group Contingency) ひとつずつ見ていきましょう。 ① 依存型集団随伴性(Dependent Group Contingency) “特定の子の行動” に集団全体の結果が依存する 依存型は、 集団全体のごほうびが、特定の子(または少数)の行動にかかっている という仕組みです。 例: 「今

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2月28日読了時間: 5分


発達障害の「早期発見」と「早期支援」
お子さんの発達について、 「ちょっと気になるな…」 「他の子と違うように見えるけれど、どうしたらいいんだろう」 そんな不安を抱える親御さんは少なくありません。 実は、発達が気になるサインに早めに気づき、必要なサポートにつながることは、 お子さんの成長にとても大きなプラス になります。 この記事では、日本で行われている早期発見の仕組みや、早期支援がどのように役立つのかを、発達が気になるお子さんをお持ちの親御さん向けにわかりやすくお伝えします。 1歳半健診は「気づきの第一歩」 日本では、乳幼児健診が発達の気づきにとても大切な役割を果たしています。 特に 1歳半健診 は、世界的にも注目されている「自閉スペクトラム症(ASD)の早期スクリーニング」の場です。 M-CHAT(日本語版)ってなに? M-CHAT(日本語版)のリンクはこちら M-CHAT とは1歳半健診で使われることが多い質問票で、 ASD の早期サインをチェックする 世界中で使われている信頼性の高いツール 日本語版も広く活用されている という特徴があります。 M-CHATは研究でも効

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2月18日読了時間: 4分


発達障害の家族支援 ペアレントトレーニング
発達障害のある子どもを育てる保護者は、日々さまざまな不安や悩みに直面します。 「どう関わればいいのかわからない」 「育て方が悪いのではと責めてしまう」 「周囲に理解されず孤独を感じる」 こうした声は決して珍しくありません。 だからこそ、発達支援では 子どもへの支援と同じくらい、家族への支援が重要 です。 厚生労働省が2020年に公開した 「 ペアレント・トレーニング実践ガイドブック 」 は、まさにこの家族支援の重要性を明確に示した資料です。 この記事では、このガイドブックの考え方を軸に、 発達障害の家族支援についてわかりやすく解説します。 なぜ家族支援が必要なのか ガイドブックでは、保護者が抱えやすい課題として次のような点が挙げられています。 子どもの行動の理由がわからず戸惑う 育てにくさを一人で抱え込みやすい 周囲の理解不足による孤立 将来への不安 子育てに自信を失いやすい こうした状況は、保護者の心身の負担を大きくし、 結果として子どもへの関わりにも影響が出ることがあります。 だからこそ、支援者は 保護者の気持ちに寄り添い、安心して相

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2月18日読了時間: 4分


日本の発達障害支援を支える法律と国際的な枠組み
発達支援の現場にいると、 「この支援はどの法律に基づいているの?」 「制度の全体像が知りたい」 と感じることが増えてきます。 日本の発達障害支援は、ひとつの法律だけで成り立っているわけではありません。 複数の法律と国際的な枠組みが連携しながら、子どもから大人までの支援を支えている のが特徴です。 この記事では、発達支援に関わる人なら知っておきたい主要な法律・ガイドラインを、わかりやすく整理して紹介します。 国際的な枠組み こどもの権利条約(1989年採択/1994年日本批准) 国連が採択した、子どもの権利を守るための国際条約です。 発達支援に関わる重要ポイント 子どもの最善の利益を最優先にする 障害のある子どもの権利を保障 教育・医療・福祉へのアクセスを確保 差別の禁止 日本の発達支援の理念の“土台”となる国際基準です。 日本の法律・制度 発達障害者支援法(2005年施行) 日本の発達障害支援の“基本法”。 内容 発達障害の定義(ASD、ADHD、LD など) 本人・家族への支援は国と自治体の責務 乳幼児期から成人期までの切れ目ない支援 医療・教

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2月18日読了時間: 5分


DSM-5-TR™ における「発達障害(神経発達症)」
発達支援に関わっていると、「DSM-5-TR™」という言葉を耳にすることが増えてきました。 これはアメリカ精神医学会(APA)が発行する、精神疾患の国際的な診断基準です。 その中で「発達障害」は “神経発達症(Neurodevelopmental Disorders)” というカテゴリーとして整理されています。 「障害(disorder)」という語を外し、個人の特性としての症状・行動傾向を示すために「神経発達症(Neurodevelopmental Disorders)」という用語が使用されているのです。 ただし日本では「発達障害」という言葉が広く浸透しているため、実務や説明では従来通り「発達障害」を使うことも多です。 神経発達症とはどんなもの? DSM-5-TR™ では、神経発達症を次のように説明しています。 発達期(多くは就学前)に現れる特性の集まり 個人・社会・学業・職業など、 生活のさまざまな領域に影響する発達上の欠如(deficits) を特徴とする 症状は幅広く、 複数の特性が重なって現れることが多い つまり、「発達障害」という

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2月18日読了時間: 5分
